FDAが高密度乳腺組織向けの初の乳房超音波画像システムを承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年9月18日
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FDAが高密度乳腺組織向けの初の乳房超音波画像システムを承認
医療提供者が小さな腫瘍を発見できるよう支援する目的で設計された装置
米国食品医薬品局(FDA)は、乳腺密度が高く、マンモグラフィの結果が陰性で乳癌の症状のない女性において、標準的なマンモグラフィと併用する初の超音波装置を承認した。
乳癌は、女性の癌関連の死因の第2位を占める。今年1年間に乳癌と診断される女性は226,870人、乳癌による死亡は39,510人と推定されている。
米国国立癌研究所(NCI)の推定では、乳腺密度の高い女性はマンモグラフィ検診受診者の約40%に上る。この女性たちは、乳癌リスクが高く、発見された場合は比較的進行して治療が難しいステージであることが多い。
高密度の乳腺は、脂肪組織の量が多い低密度の乳腺と比較して、結合組織と乳腺組織(線維性乳腺組織)の量が多い。患者が乳腺密度の高い組織を持つかどうかはマンモグラフィ検査で判断する。
マンモグラフィは、低線量の乳腺X線撮影である。ただし、乳腺密度の高い乳房のマンモグラフィ画像は読影が難しい。線維性乳腺組織と腫瘍はいずれも、マンモグラフィ画像では均質な白い領域に見える。そのため、高密度の乳腺組織では比較的小さい腫瘍が不明瞭になり、乳癌の発見が遅れる可能性がある。
超音波画像では、高密度の乳腺内にある小さな腫瘤を検出できることが明らかになっている。超音波検査の際は、トランスデューサーと呼ばれる装置から高周波数の音波が検査部位に向けて発信される。音波がどのように反射してトランスデューサーに戻るかは組織によって異なり、その差をソフトウェアで解析して、医師が異常の有無を精査できるような画像を生成する。
somo-v Automated Breast Ultrasound System(ABUS)の特殊な形状のトランスデューサーは、約1分間で自動的に乳房全体をスキャンし、読影用に数種類の画像を生成する。
FDAが承認手続きの一環として検討した臨床試験では、乳腺密度が高く、マンモグラフィの結果が陰性だった200人の女性について、マンモグラフィ画像のみ、あるいはマンモグラフィ画像とsomo-v ABUS画像との併用で放射線認定医に読影を依頼した。
somo-v ABUSで検出された腫瘤には、癌であるかどうか判定するために生検を実施した。その結果、マンモグラフィ画像とABUS画像を併用した場合、マンモグラフィ画像のみの場合と比べて、乳癌の検出率が統計的に有意に上昇することが示された。
「乳腺密度が高く、マンモグラフィで陰性と診断された女性に、超音波を用いた追加の画像診断を提案することがあります。somo-v ABUSは、そのような場合に安全で有効な乳房の超音波検査装置です」とFDA医療機器・放射線保健センターの体外診断機器評価安全室(Office of In Vitro Diagnostic Device Evaluation and Safety)長のAlberto Gutierrez博士は述べた。
somo-v ABUSは、手術や生検など、乳腺組織の超音波画像を変化させる乳房への臨床的介入を過去に受けていない女性に対して承認されている。
FDAは承認の条件として、ABUS装置を用いた綿密な訓練を医師と検査技師に対して実施すること、品質管理基準を満たすために必要なシステムの初期点検、定期点検、年次点検を明確に規定したマニュアルを各施設に提供することをメーカーに要求した。
somo-v ABUSは、カリフォルニア州サニーベールに本社を置くU-Systems Inc.が販売している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA: Medical Devices(医療機器)〔原文〕
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月橋純子 訳
原 文堅(乳癌/四国がんセンター) 監修
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