FDAが進行類上皮肉腫にタゼメトスタットを承認

2020年1月23日、米国食品医薬品局(FDA)は、転移または局所進行が認められる類上皮肉腫を有し、完全切除が不適応な16歳以上の小児および成人患者に対してタゼメトスタット(販売名:TAZVERIK、Epizyme, Inc.社)を迅速承認した。

有効性は、組織学的に確認された転移または局所進行が認められる類上皮肉腫患者を対象とした単一群コホート(コホート5)の多施設試験(Study EZH-202、NCT02601950)で検討された。対象となった患者は、腫瘍組織においてINI1遺伝子の欠損が認められ、米国東海岸癌臨床試験グループのパフォーマンスステータスが0〜2であった。患者は、疾患進行または許容できない毒性がみられるまで、タゼメトスタット800mgを1日2回経口投与された。主要有効性評価項目は、RECISTv1.1(盲検独立中央判定)によって奏効率(ORR)と奏効期間とされた。

コホート5の62人の患者のORRは15%(95%信頼区間[CI]:7%~26%)であり、1.6%が完全奏効、13%が部分奏効であり、これらの奏効の67%は6カ月以上持続した。

最もよくみられた副作用(発生率20%以上)は疼痛、疲労、悪心、食欲減退、嘔吐および便秘であった。

推奨されるタゼメトスタットの用量は、食事の有無にかかわらず1日2回800mgの経口投与である。

TAZVERIKの全処方情報はこちらを参照。

本適応は奏効率および奏効期間に基づき迅速承認された。本適応の継続的な承認には、検証的試験における臨床的有用性の検証および説明が条件となる可能性がある。FDAはタゼメトスタットをオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定した。FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品およびバイオ医薬品」(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳担当者 古屋千恵

監修 遠藤 誠(肉腫、骨軟部腫瘍/九州大学病院 整形外科)

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