FDAが多発性骨髄腫にダラツムマブ合剤+カルフィルゾミブ+Dex多剤併用療法を承認
2021年11月30日に米国食品医薬品局(FDA)は、1~3レジメンの治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫の成人患者を対象に、ダラツムマブ+ヒアルロニダーゼ合剤(販売名:Darzalex Faspro[ダラキューロ]、Janssen Biotech, Inc.社)およびカルフィルゾミブ(販売名:カイプロリス、Amgen, Inc.社)+デキサメタゾンの多剤併用療法を承認した。
有効性は、マルチコホート非盲検試験であるPLEIADES(NCT03412565)試験の単群コホートで評価された。このコホートでは、1レジメン以上の治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫患者66人が登録された。患者は、ダラツムマブ+ヒアルロニダーゼ合剤1,800 mg/30,000単位(ダラツムマブ1,800mgとヒアルロニダーゼ30,000単位)をカルフィルゾミブ(週1回20/70 mg/m2レジメン)およびデキサメタゾンと併用して皮下投与された。
有効性主要評価項目は全奏功率(ORR)であった。ORRは84.8%(95%CI:73.9%~92.5%)であった。追跡調査期間中央値9.2カ月時点で、効果持続期間中央値は未達で、6カ月以上奏効を維持したのは85.2%(95%CI:72.5~92.3)、9カ月以上は82.5%(95%CI:68.9~90.6)と推定された。
ダラツムマブ+ヒアルロニダーゼ合剤、カルフィルゾミブ、およびデキサメタゾンによる治療を受けた患者に最も頻繁にみられた有害事象(20%以上)は、上気道感染症、疲労、不眠、高血圧、下痢、咳、呼吸困難、頭痛、発熱、吐き気、局所性浮腫であった。
ダラツムマブ+ヒアルロニダーゼ合剤の推奨用量は1,800mg/30,000単位(ダラツムマブ1,800mgとヒアルロニダーゼ30,000単位)で、第1週から第8週までは週1回、第9週から第24週までは2週に1回、第25週からは4週に1回、病勢進行または許容できない毒性が出るまで皮下投与する。
ダラツムマブ+ヒアルロニダーゼ合剤を併用した場合のカルフィルゾミブの推奨投与量は以下の通りである。
- ・週1回 20/70mg/m2レジメン:1サイクルを28日としてカルフィルゾミブ20mg/m2 を1サイクル目の1日に30分間以上かけて点滴静注し、20mg/m2 の投与に耐えられる場合は、70mg/m2 を1サイクル目の8日目と15日目に30分間で点滴静注し、その後各サイクルの1日目、8日目、15日目に点滴静注する。
- ・週2回 20/56mg/m2レジメン:1サイクルを28日としてカルフィルゾミブ20mg/m2を1サイクル目の1日目と2日目に30分以上かけて点滴静注し、20mg/m2の投与に耐えられる場合は、56mg/m2を1サイクル目の8日目、9日目、15日目、16日目に30分かけて点滴静注し、各サイクルの1日目、2日目、8日目、9日目、15日目、16日目に点滴静注する。
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
骨髄腫に関連する記事
骨髄性悪性腫瘍の精密医療による治療:NIH臨床試験
2024年11月4日
NPM1変異を有する骨髄腫瘍では骨髄芽球の割合との相関は認められない
2024年9月4日
【ASCO2024年次総会】多発性骨髄腫にベランタマブ マホドチン追加で進行・死亡リスク減
2024年8月8日
再発難治性多発性骨髄腫にベランタマブ マホドチン3剤併用療法は新たな選択肢となるか
2024年2月20日