FDAが小児のCD33陽性、急性骨髄性白血病にゲムツズマブオゾガマイシンを承認

2020年6月16日、米国食品医薬品局(FDA)は、ゲムツズマブオゾガマイシン(販売名:マイロターグ、Wyeth Pharmaceuticals LLC)の適応を拡大し、新たにCD33陽性急性骨髄性白血病(AML)と診断された生後1カ月以上の小児患者を含めることとした。

0歳から29歳までの新たにAMLと診断された患者1,063人を対象とした多施設ランダム化試験AAML0531(NCT00372593)のデータによって、小児患者における有効性と安全性は裏づけられた。患者は、5サイクルの化学療法単独群、あるいはゲムツズマブオゾガマイシン(3mg/m2)を導入療法1の6日目に1回、強化療法2の7日目に1回投与するゲムツズマブオゾガマイシン+化学療法群のいずれかに無作為に割り付けられた。

主な有効性の評価項目は、試験開始日から、寛解導入不応、再発、もしくは何らかの原因による死亡に至るまでの無イベント生存期間(EFS)であった。EFSハザード比は0.84(95%CI:0.71~0.99)であった。5年後に寛解導入不応、再発、もしくは死亡のいずれのイベントも経験しなかった患者の推定割合は、ゲムツズマブオゾガマイシン+化学療法群で48%(95%CI:43%~52%)であったのに対し、化学療法単独群では40%(95%CI:36%~45%)であった。全生存期間における治療群間の差は示されなかった。

ゲムツズマブオゾガマイシンの投与を受けた患者の5%以上において導入療法1および強化療法2の期間中に発生したグレード3以上の主な副作用は、感染症、発熱性好中球減少症、食欲減退、高血糖、粘膜炎、低酸素血症、出血、トランスアミナーゼ上昇、下痢、吐き気、低血圧であった。

マイロターグの全処方情報は、こちらを参照。

翻訳担当者 水町美和

監修 吉原 哲(血液内科・細胞治療/兵庫医科大学)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

白血病に関連する記事

高リスク慢性リンパ性白血病に3剤併用AVO療法は有望の画像

高リスク慢性リンパ性白血病に3剤併用AVO療法は有望

ダナファーバーがん研究所の研究者らは、特にTP53異常を持つ高リスク慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対する治療における有望な進歩を発表した。これは、高リスクCLLにおける期間限定の3...
米国血液学会ASH2024:3剤併用療法は複数の白血病で高い奏効率を示す他の画像

米国血液学会ASH2024:3剤併用療法は複数の白血病で高い奏効率を示す他

3件の臨床試験で測定可能残存病変の陰性化および全奏効率に関する良好な結果が得られた抄録:216、219、1011
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが主導した3件...
米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認の画像

米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認

有効性は、KMT2A転座を有する再発または難治性(R/R)急性白血病の成人および小児患者104人(生後30日以上)を対象とした非盲検多施設共同試験(SNDX-5613-0700、NCT0406...
米FDAが新たに診断された慢性骨髄性白血病(CML)にアシミニブを迅速承認の画像

米FDAが新たに診断された慢性骨髄性白血病(CML)にアシミニブを迅速承認

2024年10月29日、米国食品医薬品局(FDA)は、慢性期(CP)のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+ CML)と新たに診断された成人患者を対象に、アシミニブ(販売名...