ダサチニブが慢性骨髄性白血病小児患者にFDA承認
米国食品医薬品局(FDA)は2017年11月9日、慢性期のフィラデルフィア染色体陽性(Ph+)慢性骨髄性白血病(CML)小児患者の治療薬として、ダサチニブ(スプリセル、Bristol-Myers Squibb Co.社 )を通常承認した。
今回の承認は、慢性期慢性骨髄性白血病小児患者97人を対象とした二つの臨床試験、すなわち第1相非盲検非ランダム化用量反応試験と第2相非盲検非ランダム化試験の結果に基づくものである。患者51人(第2相試験に参加)は、慢性期慢性骨髄性白血病と新規に診断を受けた患者であり、46人(第1相試験に参加17人、第2相試験に参加29人)は、イマチニブによる前治療に抵抗性または不耐容を示した患者であった。患者の多くが、ダサチニブ錠60 mg/m2を1日1回服用する治療を受けた。この治療は、患者の病勢進行あるいは忍容できない毒性が生じるまで行われた。
24カ月間の治療後、新規に診断を受けた患者の96.1%(95%信頼区間:86.5、99.5)、またイマチニブに抵抗性または不耐容を示した患者の82.6%(95%信頼区間:68.6、92.2)に細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)が認められた。追跡期間中央値は、新規に診断を受けた患者が4.5年、イマチニブに抵抗性または不耐容を示した患者が5.2年であり、細胞遺伝学的完全寛解、細胞遺伝学的大寛解(MCyR)、分子遺伝学的大寛解(MMR) の寛解期間中央値は、奏効した患者の半数以上にデータ締め切り時点で増悪が認められなかったため算出できなかった。
ダサチニブによる治療を受けた小児患者(n=97)の10%に報告された有害事象は、頭痛、悪心、下痢、皮疹、嘔吐、四肢痛、腹痛、疲労、および関節痛であった。
小児患者のダサチニブの推奨用量は体重に基づいている。処方箋情報(添付文書)はこちらから。
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/021986s020lbl.pdf
FDAは、この適応症を対象にダサニチブを優先審査品目およびオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定していた。FDAの迅速承認プログラムの詳細は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤」で閲覧可能である。
http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
白血病に関連する記事
高リスク慢性リンパ性白血病に3剤併用AVO療法は有望
2024年12月21日
米国血液学会ASH2024:3剤併用療法は複数の白血病で高い奏効率を示す他
2024年12月16日
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが主導した3件...
米FDAが、KMT2A転座を有する再発/難治性の急性白血病にレブメニブを承認
2024年12月2日
米FDAが新たに診断された慢性骨髄性白血病(CML)にアシミニブを迅速承認
2024年11月26日