FDAが再発・難治性の前駆B細胞急性リンパ性白血病にinotuzumab ozogamicinを承認
2017年8月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、再発・難治性の前駆B細胞急性リンパ性白血病(ALL)成人患者の治療にイノツズマブ オゾガマイシン[inotuzumab ozogamicin](商品名:BESPONSA)(Wyeth Pharmaceuticals Inc社―Pfizer Inc社の子会社)を承認した。
この承認は、非盲検、多国間多施設ランダム化(1:1)INO-VATE ALL 試験(NCT01564784)のデータに基づく。この試験は、フィラデルフィア染色体陰性または陽性の再発・難治性前駆B細胞ALLで骨髄芽球5%以上、すでに1つまたは2つのALLに対する導入化学療法レジメンを受けている患者が対象となった。フィラデルフィア陽性の前駆B細胞ALL患者では、1つ以上のチロシンキナーゼ阻害剤と標準化学療法による治療を受け、抵抗性になった患者が登録された。
患者はイノツズマブ オゾガマイシン群164人、医師の選択した化学療法群162人に無作為に分けられた。当初無作為に割付けされた218人のうちイノツズマブ オゾガマイシン投与を受けた35.8%が完全寛解(CR)(中央値8.0カ月)を達成し、そのうちの89.7%が微小残存病変(MRD)陰性を達成した。一方、従来の化学療法群では、17.4%がCR(中央値4.9カ月)、そのうちMRD陰性は31.6%であった。
患者の20%以上に発現した、最も多く認められた有害反応は、血小板減少症、好中球減少症、感染症、貧血、白血球減少症、倦怠感、出血、発熱、悪心、頭痛、発熱性好中球減少症、トランスアミナーゼ増加、腹痛、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、および高ビリルビン血症であった。投与中止の理由として報告された、最も多く認められた(2%以上)有害反応は、感染症、血小板減少症、高ビリルビン血症、トランスアミナーゼ増加、および出血であった。
初回サイクルでは、イノツズマブ オゾガマイシンの推奨用量は、全患者において1サイクル1.8mg/m2であり、これを3回に分割して投与する(1日目に0.8mg/m2、8日目に0.5mg/m2、15日目に0.5mg/m2)。以降のサイクルでは、治療効果により推奨用量が異なる。詳細は以下に記載されている全処方情報で入手可能。
https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/761040s000lbl.pdf
FDAはこれまで、ALLの治療薬イノツズマブ オゾガマイシンに、オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定、画期的治療薬指定、および優先審査指定を認めている。FDAの迅速承認プログラムの説明は、以下の企業向けガイダンス:「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」に記載されている。
医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象を認めた場合、すべてFDAのMedWatch報告システムに報告しなければならない。この報告は、オンラインフォームへの入力(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、ファックス送信(1-800-FDA-0178)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームの郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。
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