ClofarabineのFDA承認
原文 2013/07/02更新
商品名:Clolar
小児急性リンパ性白血病への承認
臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報Full prescribing information で参照できます。
FDAは、2004年12月28日、プリンヌクレオシド系代謝拮抗剤の点滴静注薬clofarabine (Clolar、 製造元Genzyme Corporation) を、2つ以上の治療を受けた後抵抗性になった、または再発した1-21歳の小児急性リンパ性白血病 (ALL) 治療用に迅速承認しました。
この適応の承認は、完全寛解導入に基づいて認められました。生存期間の延長や他の臨床上の利点を証明する臨床試験は行われていません。迅速承認は、申請者は臨床上の利点を証明するための追加試験を実施し完了することという規定に基づいて与えられました。
効果と安全性は、一つの多施設臨床試験で49人の患者において証明されたものです。大半の患者が前治療として2-4つのレジメンを受けており、15/49 (31%) が1回以上の移植を受けていました。年齢の中央値は12歳でした。
Clofarabineは、5日間、1日52 mg/m2の用量で2時間かけて静注され、臓器機能のベースラインへの回復を待って2-6週間ごとに繰り返し投与されました。
試験のエンドポイントは、完全寛解(CR)率、および血小板回復を伴わない完全寛解(CRp)率で、前者は循環芽球、または骨髄外病変が認められないこと、M1骨髄、抹消血小板と絶対好中球数の回復で定義されており、後者は、血小板回復を除いたすべてがCRの基準に合致するものと定義されています。奏効率は、独立効果判定パネル (Independent Response Review Panel, IRRP)によって判定されました。
6人(12%)の患者がCRとなり、4人(8%)がCRp、5人(10%)がPRとなりました。これらの奏効した15人の患者のうち6人がclofarabine治療後、骨髄移植を受けました。従って、奏効期間は判定できませんでした。移植を受けなかった患者におけるCR期間は43, 50, 82, 93+と160+ 日で、CRp患者では32日でした。
Clofarabineの主な毒性は悪心、嘔吐、血液毒性、発熱性好中球減少、肝胆道毒性、感染症、腎毒性です。Clofarabineは、急速に進行する頻呼吸、頻脈、低血圧、ショック症状、多臓器不全を呈する全身性炎症反応症候群/毛細血管漏出症候群(SIRS)を発症することがあります。心毒性は左室の収縮機能障害が特徴です。頻脈も起こる可能性があります。
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野中 希 翻訳
島村義樹(薬学)監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。 FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。 |
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