オビヌツズマブのFDA承認
・治療歴の無い慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療にクロラムブシルとの併用で承認(2013/11/01)
米国食品医薬品局(FDA)は2013年11月1日、治療歴の無い慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療として、オビヌツズマブ(Gazyva注射液、静脈内投与用、Genentech社製、旧称GA101)をクロラムブシルとの併用で承認しました。
この承認は、治療歴の無いCD20陽性CLL患者を対象にオビヌツズマブ+クロラムブシルの併用(GClb)とクロラムブシル(Clb)単剤を比較したランダム化非盲検多施設共同試験で無増悪生存期間(PFS)の延長が示されたことに基づくものでした。この試験では、リツキシマブ+クロラムブシルの併用(RClb)とオビヌツズマブ+クロラムブシルの併用(GClb)も比較しました。RClbとGClbの比較結果は第2段階で得られます。
オビヌツズマブ+クロラムブシル併用投与群にランダムに割り付けられた患者は、オビヌツズマブ1000mgを第1サイクルの第1日目(のちに、第1日目100mg、第2日目900mgに分けて投与)、第8日目、第15日目に静脈内投与され、クロラムブシル0.5mg/kgを第1日目および第15日目に投与されました。第2~6治療サイクル期間中、患者はオビヌツズマブを第1日目にのみ1000mg静脈内投与され、第1日目および第15日目にクロラムブシル0.5mg/kgを投与されました。患者はオビヌツズマブの初回投与前に、グルココルチコイド、アセトアミノフェン、アンチヒスタミンの前投薬を受け、その後は必要に応じて投薬を受けました。クロラムブシル単剤投与群に割り付けられた患者は、すべての治療サイクル(第1~6サイクル)の第1日目および第15日目に0.5mg/kgを投与されました。治療サイクルは28日毎に繰り返し実施されました。
計356人の患者が、オビヌツズマブ+クロラムブシル併用投与群(n=238)またはクロラムブシル単剤投与群(n=118)に2:1でランダムに割り付けられました。患者の年齢(39歳~88歳)の中央値は73歳でした。独立評価委員会によって評価された無増悪生存期間中央値は、オビヌツズマブ+クロラムブシル併用投与群で23.0カ月であったのに対し、クロラムブシル単剤投与群では11.1カ月でした[HR 0.16 (95 percent CI: 0.11、0.24)、log-rank p-value<0.0001]。
オビヌツズマブ+クロラムブシル併用投与群において(対照群よりも高い頻度で)最も多く(少なくとも10%に)みられた有害事象は、投与時反応、好中球減少症、血小板減少症、貧血、発熱、咳、筋骨格系障害でした。最も多く(少なくとも10%に)みられたグレード3~4の有害事象は、投与時反応、好中球減少症、血小板減少症でした。
投与時反応はオビヌツズマブを投与された患者の69%にみられ、21%がグレード3~4の投与時反応を経験しました。症状(10%以上に発現)には、呼吸困難、血圧低下、悪心、嘔吐、悪寒、皮膚紅潮および発熱などがありました。
オビヌツズマブは、B型肝炎ウイルス再活性化および進行性多巣性白質脳症に関して、添付文書に黒枠警告として記載されることで承認されました。患者は、このようなリスクについて忠告を受け、B型肝炎ウイルスおよび再活性化リスクについて評価される必要があります。投与時反応に関しては、添付文書の警告および使用上の注意の項目に記載されています。
承認されたレジメンの推奨投与量および投与スケジュールは以下の通りになります。
オビヌツズマブ:
第1サイクル:第1日目に100mg、第2日目に900mg、第8日目および第15日目に1000mgを静脈内投与
第2~6サイクル:28日毎に1000mgを静脈内投与
クロラムブシル:
各サイクルの第1日目および第15日目に0.5mg/kgを経口投与
この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。 |
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