FDAが慢性骨髄性白血病の治療にBosulifを承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年9月4日
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FDAが慢性骨髄性白血病の治療にBosulifを承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日、高齢者に多い血液と骨髄の疾患である慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬としてBosulif(bosutinib [ボスチニブ] )を承認した。
2012年には、5,430人の男女がCMLと診断されると推定されている。 ほとんどのCML患者はフィラデルフィア染色体と呼ばれる遺伝的変異をもち、これは骨髄でチロシンキナーゼと呼ばれる酵素を作らせる。この酵素は、異常で有害な顆粒球と呼ばれる白血球細胞を過剰に作らせる引き金となる。顆粒球は感染と闘う。
Bosulifは、イマチニブを含む他の治療に耐性を示す、あるいは忍容性がない、慢性期、加速期、あるいは急性転化期のフィラデルフィア染色体陽性CML患者を治療対象としている。 Bosulifは、異常顆粒球の産生を促進するチロシンキナーゼシグナルを阻止することによって作用する。
「チロシンキナーゼ阻害薬の承認により、疾患の分子基盤に対するより深い理解に基づいたCML治療は改善されつつあります」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。「これらの改善は、CMLの慢性期および加速期で認められています」。
様々なタイプのCMLを治療するためにFDAが最近承認した他の薬剤には、イマチニブ(2001年)、ダサチニブ(2006年)、ニロチニブ(2007年)がある。
Bosulifの安全性および有効性は、慢性期、加速期、急性転化期のCMLを有する成人患者546人を組入れた単一の臨床試験で評価された。すべての患者は、イマチニブによる治療、もしくはイマチニブ治療後にダサチニブまたはニロチニブによる治療を受けるも病気が進行したか、あるいはそれまでの治療において副作用に耐えることができなかった患者であった。試験では、すべての患者を対象にBosulifによる治療を実施した。
慢性期CML患者における効果は、治療開始後24週間以内に、細胞遺伝学的大寛解(MCyR)を経験した患者の数によって評価された。結果は、Bosulif治療以前にイマチニブによる治療を受けていた患者の34%が24週間後にMCyRを達成した。いずれかの時点でMCyRを達成した患者のうち52.8%において、少なくとも18ヵ月間MCyRが持続した。Bosulif治療以前に、イマチニブ治療後にダサチニブまたはニロチニブによる治療を受けていた患者のうち約27%は、治療開始後24週間以内にMCyRを達成した。いずれかの時点でMCyRを達成した患者のうち51.4%は、MCyRが少なくとも9ヵ月続いた。
Bosulif治療以前に少なくともイマチニブで治療されていた加速期CML患者のうち、33%は治療開始後48週間以内に血球数が正常範囲に回復し(血液学的完全寛解)、55%はこれを含む血液学的効果を達成した。一方、急性転化期CML患者においては、15%と28%が、それぞれ血液学的完全寛解とこれを含む血液学的効果を達成した。
Bosulifによる治療を受けた患者で最も多く認められた副作用は、下痢、悪心、血液中の血小板低下(血小板減少症)、嘔吐、腹痛、発疹、低赤血球数(貧血)、発熱、および疲労であった。
Bosulifはニューヨークを拠点とするファイザー社が販売している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products(血液腫瘍製品室)〔原文〕
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers (承認薬:質問と回答)〔原文〕
FDA: Drug Innovation (薬剤における革新)〔原文〕
NIH: Chronic Myelogenous Leukemia(慢性骨髄性白血病)〔原文〕
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伊藤実花 訳
吉原 哲(血液内科・造血幹細胞移植/兵庫医科大学病院) 監修
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