FDAが再発または転移性子宮頸がんにペムブロリズマブを承認
2018年6月12日米国食品医薬品局(FDA)は、FDA承認の検査でPD-L1発現陽性(CPS ≥1)で、化学療法施行中または施行後に増悪した再発または転移性子宮頸がんの治療薬としてペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ、Merck and Co. Inc.社)を承認した。
ペムブロリズマブは多施設、非ランダム化、非盲検、マルチコホート試験KEYNOTE 158 (NCT02628067)の1コホートに登録した再発または転移性子宮頸がん患者の98人を対象に評価された。患者は許容できない毒性または増悪が認められるまで3週間ごとにペムブロリズマブ200mgを静注投与された。この承認は登録症例98人のうち、PD-L1発現陽性(CPS ≥1)の腫瘍を有し、転移性病変に対し少なくとも1回以上の化学療法を行った77人(79%)の結果に基づいている。PD-L1ステータスはPD-L1 IHC 22C3 pharmDx Kitを用いて判定した。
有効性の主要評価項目は、RECIST 1.1により盲検下独立中央判定で評価した客観的奏効率(ORR)と奏効期間である。追跡期間中央値11.7カ月における77人のORRは14.3%(95% CI: 7.4~24.1)、完全奏効2.6%、部分奏効11.7%であった。推定奏効期間中央値は独立判定によって奏効がみられた11人の結果に基づくものであり、到達しなかった(4.1~18.6+カ月)。91%で奏効期間が6カ月以上であった。PD-L1発現陰性(CPS<1)の患者に奏効はみられなかった。
KEYNOTE-158試験に登録した子宮頸がん患者に最も多くみられた有害反応は疲労感、疼痛、発熱、末梢浮腫、筋骨格系疼痛、下痢/大腸炎、腹痛、悪心、嘔吐、便秘、食欲減退、出血、尿路感染症、その他の感染、発疹、甲状腺機能低下、頭痛、呼吸困難であり、10%以上に認められた。有害反応によってペムブロリズマブの投与を中止したのは患者の8%であった。重篤な有害反応は39%に発現した。重篤な有害反応でもっとも多かったのは貧血(7%)、瘻孔(4.1%)、出血(4.1%)、感染(4.1%、尿路感染症を除く)であった。
FDAはPD-L1 IHC 22C3 pharmDx (Dako North America Inc.社)についても、コンパニオン診断薬として同時に承認した。
子宮頸がん治療薬としてのペムブロリズマブの推奨用量は、3週間ごとの200mgの投与である。ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)に関する全処方情報はこちらを参照。
FDAは本申請を優先審査に指定した。腫瘍の奏効率と奏効の持続性によって本適応は迅速承認された。
この適応の承認継続は検証的試験で臨床的有用性の確認と説明を行うことを条件とする。FDAの迅速化プログラムに関する情報は、企業向けガイダンス、重篤疾患のための迅速承認プログラム‐医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。
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