エンザルタミドのFDA承認
商品名:Xtandi
・ ドセタキセルによる治療歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺癌に対して承認される
臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。
米国食品医薬品局(FDA)は2012年8月31日、ドセタキセル治療歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺癌患者の治療薬としてエンザルタミド(Xtandi®カプセル、 Medivation社および米国アステラス製薬製造)を承認しました。
この承認は、ドセタキセル治療歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺癌患者1199人を対象とした多施設共同ランダム化臨床試験に基づいています。患者はエンザルタミドを1日1回160 mgを経口投与する群(800人)か、またはプラセボ投与群(399人)に無作為に割り付けられました。本試験薬による治療は、病勢の進行、新規の全身性抗腫瘍治療の開始、許容できない毒性の発現、または同意の撤回まで継続されました。
本試験期間中、患者はアンドロゲン除去療法を継続する必要がありました。本試験期間中、患者は、希望により糖質コルチコイドの併用が認められました。エンザルタミド投与群の患者のうちの48%、プラセボ投与群の患者のうちの46%が糖質コルチコイドの投与を受けていました。
有効性の主要評価項目は「全生存期間」でした。あらかじめ計画されていたように520例の有害事象の発現後に中間解析を実施した結果、エンザルタミド投与群の全生存期間は、プラセボ投与群に比較して統計学的に有意な延長がみられました(HR 0.63 (95 percent CI: 0.53, 0.75), p < 0.0001, log rank test)。全生存期間中央値は、エンザルタミド投与群で18.4カ月であったのに対して、プラセボ投与群では13.6カ月でした。
最も多く発現した(5%以上の患者で発現)Grade 1~4の副作用は、脱力感、疲労感、背部痛、下痢、関節痛、ほてり、末梢性浮腫、筋骨格痛、頭痛、上気道および下気道感染、筋力低下、めまい、不眠症、脊髄圧迫、馬尾症候群(神経系障害)、血尿、感覚異常、不安、高血圧でした。エンザルタミド投与群の患者の47%、およびプラセボ投与群の患者の53%にGrade 3~4の副作用が報告されました。
エンザルタミド投与群の患者の0.9%に痙攣発作がみられました。プラセボ投与群の患者には痙攣発作はみられていません。本臨床試験において痙攣発作のみられた患者についてはエンザルタミドの投与を中止しました。すべての痙攣発作の症状は消失しました。痙攣発作歴のある患者で痙攣発作閾値を下げるとされる薬剤を服用している患者、または痙攣発作の可能性を高める他のリスクファクターを有する患者については、本臨床試験から除外しました。痙攣発作の素因を有する患者に対するエンザルタミドの安全性は確立していません。
エンザルタミドの推奨される用法・用量は、1日1回160 mgの経口投与となっています。
この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。 |
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