FDAが一部の進行期前立腺癌の治療にXtandiを承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年8月31日
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FDAが一部の進行期前立腺癌の治療にXtandiを承認
米国食品医薬品局(FDA)は本日、テストステロンの作用を抑える薬物療法や外科手術を行った後で転移または再発する進行期(転移性)去勢抵抗性前立腺癌男性患者の治療薬として、Xtandi(enzalutamide[エンザルタミド])を承認した。
Xtandiは、別種の抗癌剤であるドセタキセルによる化学療法施行歴を有する前立腺癌男性患者を対象に承認された治療薬で、FDAの優先審査プログラムで審査された。同プログラムは、治療に大きな進歩をもたらす可能性がある薬剤や、他に適切な治療法が存在しない場合に治療が提供できる薬剤を、6カ月間という短期間で迅速審査するものである。Xtandiは、処方薬受益者負担金法の目標日である2012年11月22日の3カ月前にFDAにより承認された。
「進行前立腺癌に対する更なる治療選択肢の必要性は、患者にとってこれからも重要であり続けます。Xtandiは、進行前立腺癌患者を延命させることを示した最新の治療薬です」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。
前立腺癌は、膀胱の下方、直腸の前面に存在する男性生殖器である前立腺に発生する。男性ホルモンであるテストステロンは、前立腺癌を刺激し増殖させる。米国国立癌研究所によると、2012年に241,740人が前立腺癌と診断され、28,170人が同疾患で死亡すると推定されている。
Xtandiの安全性と有効性は、ドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺癌患者1,199人を対象とする臨床試験で評価された。本臨床試験は、プラセボ(糖錠)投与男性患者と比較したXtandi投与男性患者の全生存期間(死亡するまでの期間)を評価するように計画された。Xtandi投与男性患者の全生存期間中央値は18.4カ月であったのに対し、プラセボ投与男性患者では13.6カ月であった。
Xtandi投与男性患者で認められた主な副作用は、脱力もしくは疲労、背部痛、下痢、関節痛、ほてり、組織腫脹、筋肉および骨痛、頭痛、上気道感染、浮動性めまい、脊髄圧迫および馬尾症候群、筋力低下、睡眠困難、下気道感染、尿中血陽性、チクチクする感覚、不安、ならびに高血圧であった。
Xtandi投与男性患者の痙攣発作の発生率は約1%であった。痙攣発作が生じた男性患者ではXtandi投与が中止された。本臨床試験では、痙攣発作歴のある患者、過去に意識消失を伴う脳外傷を負った患者、過去12カ月以内に脳への一時的な血流減少を負った患者、脳卒中歴のある患者、脳転移を発症している患者、脳動静脈奇形を有する患者、または痙攣発作閾値を下げる可能性がある薬剤を服用している患者は除外された。Xtandiの安全性は、上記の患者では不明である。
XtandiはアステラスファーマUS,Inc.(イリノイ州ノースブルック市)とメディベーション社(カリフォルニア州サンフランシスコ市)が共同販売する予定である。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products(血液腫瘍製品室)〔原文〕
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)〔原文〕
FDA: Drug Innovation(薬剤における革新)〔原文〕
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渡邊 岳 訳
榎本 裕(泌尿器科/東京大学医学部付属病院) 監修
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