FDAが切除不能または転移メラノーマにニボ+レラトリマブの配合剤を承認

2022年3月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移メラノーマ(悪性黒色腫)の成人および12歳以上の小児患者を対象に、ニボルマブ(販売名:オプジーボ)とレラトリマブの固定用量配合剤(販売名:OpdualagBristol-Myers Squibb Company社)を承認した。本剤は、LAG-3阻害抗体のレラトリマブおよびPD-1受容体阻害抗体のニボルマブの用量固定配合剤(FDC)である。

有効性は、治療歴のない転移性/切除不能なステージ3または4のメラノーマ患者714人を対象としたランダム化(1:1)二重盲検試験、RELATIVITY-047試験(NCT03470922)において評価された。この試験では、活動性の自己免疫疾患、中等量または高用量のコルチコステロイドまたは免疫抑制剤による全身治療を必要とする病状、ぶどう膜メラノーマ、活動性または未治療の脳またはレプト髄膜転移を有する患者は除外した。患者は、配合剤(ニボルマブ480mgとレラトリマブ160mg)を4週間ごとに点滴静注する群と、ニボルマブ480mgを4週間ごとに点滴静注する群に無作為に割り付けられ、病勢進行または容認できない毒性が現れるまで投与された。

主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、RECIST v1.1を用いたBICR(Blinded Independent Central Review)により評価した。本試験では、ニボルマブ+レラトリマブがニボルマブ群と比較してBICRによるPFSを統計的有意に改善することが示された(HR=0.75、95%信頼区間[CI]:0.62、0.92、p値:0.0055)。PFS中央値はニボルマブ+レラトリマブ群で10.1カ月(95% CI: 6.4, 15.7)、ニボルマブ群で4.6カ月(95% CI: 3.4, 5.6 )であった。その他の有効性評価指標は全生存期間(OS)であった。OSの最終解析では、OSの中央値はニボルマブ+レラトリマブ群で34.2カ月(95% CI: 34.2、NR)、ニボルマブ群で34.1カ月(95% CI: 25.2、NR)で、統計的有意差は認められなかった(HR=0.80、95% CI: 0.64, 1.01 )。

ニボルマブ+レラトリマブ配合剤の主な副作用(20%以上)は、筋骨格痛、疲労、発疹、そう痒症、下痢であった。また、主な臨床検査値異常(20%以上)は、ヘモグロビン減少、リンパ球減少、AST上昇、ALT上昇、ナトリウム減少であった。

体重40kg以上の成人および12歳以上の小児患者に対する本の推奨用量は、ニボルマブ480mgおよびレラトリマブ160mgを配合剤として疾患進行または許容できない毒性が発現するまで4週間隔で静脈内投与である。体重40kg未満の12歳以上の小児患者に対する推奨用量は確立されていない。

Opdualagの全処方情報はこちらを参照。

翻訳担当者 後藤若菜

監修 辻村信一(獣医学・農学博士、メディカルライター)

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