FDAがメラノーマの術後化学療法にニボルマブを承認

2017年12月20日、米国食品医薬品局(FDA)は、抗PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)を、リンパ節への浸潤が認められる悪性黒色腫(メラノーマ)患者または根治切除を行った転移性疾患患者の術後化学療法に正式承認した。以前、ニボルマブは、切除不能または転移性のメラノーマを有する患者の治療に承認された。

本承認は、根治切除を受けたステージIIIB/CまたはステージIV(AJCC第7版)のメラノーマ患者906人を対象としたランダム化二重盲検試験であるCHECKMATE-238試験(NCT02388906)で得られた無再発生存期間(RFS)の改善を根拠とした。ニボルマブ3mg/kgを2週間おきに投与する群、またはイピリムマブ10mg/kgを3週間おきに4回投与し、24週以降は12週間おきに投与する群に患者を無作為に割り付け(1:1)、期間はいずれも最大1年とした。ランダム化前12週間以内にメラノーマの根治切除を行い、切除縁が陰性であることを登録要件とした。

主要有効性転帰はRFSであり、ランダム化した日から初回再発(局所転移、領域転移、または遠隔転移)日、新規の原発性メラノーマの発生日、または死因を問わない死亡日のいずれか早い日までの期間と定義した。ニボルマブ群患者は、イピリムマブ群よりも再発/死亡が少なく、再発/死亡した割合は34%(n=154)であった[イピリムマブ群45.5%(n=206)](ハザード比0.65;95%信頼区間0.53、0.80;p<0.0001)。いずれの群でもRFS中央値は得られなかった。

ニボルマブ曝露期間中央値は11.5カ月であり、患者の74%に6カ月を超えてニボルマブを投与した。患者の9%は有害反応によりニボルマブを中止した。

最も頻度の高い[CHECKMATE-238試験のニボルマブ投与患者の20%以上に報告された]有害反応は、疲労、下痢、発疹、筋骨格痛、そう痒、頭痛、悪心、上気道感染、および腹痛であった。最も頻度の高い免疫介在性有害反応は、発疹(16%)、下痢/大腸炎(6%)、および肝炎(3%)であった。

メラノーマの術後化学療法に対するニボルマブの推奨用量および推奨スケジュールとして、240mgを60分かけて点滴静注として2週間おきに投与し、疾患の再発または許容できない毒性が生じるまで最長1年間継続する。

全処方情報はこちら:

https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/125554s055lbl.pdf

今回の申請においてFDAはニボルマブに優先審査を適用し、目標期日より約8週間早く承認を下した。ニボルマブは本適応において画期的治療薬に指定された。FDAの迅速承認プログラムの説明は、以下の企業向けガイダンス:「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」に記載されている:

http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf.

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象を認めた場合、すべてFDAのMedWatch報告システムに報告しなければならない。この報告は、オンラインフォームへの入力(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームのファックス(1-800-FDA-0178)か郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。

翻訳担当者 前田愛美

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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