NCI(米国国立がん研究所)
CAR-T細胞:患者の免疫細胞を遺伝子操作してがんを治療する
2018年10月29日
米国国立がん研究所(NCI) 何年もの間、がん治療の基本は外科手術、化学療法、放射線療法であった。ここ20年の間に、イマチニブ(グリベック)やトラスツズマブ(ハーセプチン)などの分子標的薬治療薬(主にがん細胞内に存在する特定の分子変化を狙い
エキソソームが腫瘍の免疫システム逃避を助ける
2018年10月18日
腫瘍は、免疫応答を抑制するタンパク質をちりばめたエキソソームと呼ばれる小さな膜小胞を分泌して免疫系から逃れることが、新たな研究で確認された。重要だけれども知られていなかったであろう腫瘍の免疫系逃避経路である。 ペンシルバニア大学の研究者らが
閉経後の出血と子宮体がんの関係に関する研究
2018年9月26日
閉経後女性における膣出血が子宮体がんとどの程度かかわりがあるかを調べた過去最大規模の解析によれば、子宮体がんと診断された女性の90%ががん診断前に出血を訴えていた。出血後に医師の診察を受けた閉経後女性のうち、子宮体がんと診断されたのは約9%
免疫系の賦活による緩徐進行性リンパ腫の縮小
2018年10月18日
緩徐進行性(低悪性度)B細胞性リンパ腫患者に対して、低線量の放射線と免疫賦活化合物を併用する小規模臨床試験が行われた。この臨床試験において、大多数の患者で腫瘍の縮小が認められた。 臨床試験ではSD-101という化合物を用いたin situワ
虫垂がんは他の消化器がんと異なる遺伝子特性をもつ
2018年10月14日
虫垂がんのDNA変化についての過去最大規模の試験により、このまれながんは大腸がんや他の胃腸系のがんと異なることが明らかになった。さらに、腫瘍にみられる特異的な遺伝子変異が、その腫瘍が侵襲的でありうるかどうかを予測するための一助になる可能性が
ヒ素とレチノイン酸は協働して乳がんなどの主要制御因子を阻害
2018年10月14日
ある種白血病の治療に使用されることの多い2剤併用療法は、乳がんや他の多くのがんで中心的な役割を果たす1つの酵素を阻害することが、新たな研究で明らかになった。 薬剤の組み合わせは、三酸化二ヒ素(トリセノックス)とトレチノイン(レチノイン酸とし
ラドンとがん
2018年10月10日
目次 ・ラドンとは ・一般の人々はラドンにどのようにさらされていますか? ・ラドンはどのようにがんを引き起こしますか? ・ラドン曝露により肺がんを発症する人はどのくらいいますか? ・肺がん発症におけるラドンの関与を研究者らはどのように発見し
がんの免疫療法について
2018年9月20日
免疫療法は、免疫系ががんに対抗する力を助けるがん治療の一種です。免疫系は、人体が感染症などの疾患に対抗するための機構です。免疫系は白血球とリンパ系の器官および組織から構成されます。 免疫療法は生物学的療法の一種です。生物学的療法は、がん治療
脳腫瘍・神経系腫瘍~知っていますか?~
2018年9月10日
米国国立がん研究所(NCI)が制作した動画に、一社)日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT/ジャムティ)が日本語字幕を付けたものです。 米国では2013年、脳腫瘍やその他神経系の腫瘍の罹患者数は15万2000人を超えているのをご存知ですか?
リキッドバイオプシーにより乳がんの晩期再発リスクを予測
2018年9月10日
診断後5年の時点で血中にがん細胞が認められた乳がん患者は、がん細胞が認められなかった患者と比べ再発率が13倍に上ることが進行中の試験で明らかになった。 ホルモン受容体陽性乳がんの診断を受け、転移しなかった患者のほとんどは再発が
がん予防というメッセージは、保護者とのHPVワクチン接種に関する話し合いにとって重要である
2018年8月4日
医療従事者はヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種予定の9~12歳の小児の保護者と話し合うとき、がん予防を強調して伝えるべきである。これは、米国内の様々な保護者を対象に、小児にワクチン接種を受けさせるときに最も説得力があると感じた動機
高脂肪食や糖尿病薬ががん分子標的薬の奏効率を高める
2018年8月30日
マウスを用いた最近の試験から、PI3K阻害剤と呼ばれるがん分子標的薬に対する治療抵抗性を克服し、有効性を高める2種類の方法が示された。研究者らが示すところでは、PI3K阻害剤に対する抵抗性が、グルコースを調節するホルモンで糖尿病の発現に大き
テーラード心理療法が進行がん患者のうつ症状を軽減
2018年8月30日
進行がんの診断を受けた患者は、医療保険制度の利用から、人間関係途絶の対処や残された時をどのように費やすかを考えることまで、多くの困難やストレスに直面する可能性があり、うつに冒されやすい。しかしがんセンターやクリニックは、すべての進行がん患者
チオ硫酸ナトリウムは子供のシスプラチン誘発性聴覚障害を予防
2018年8月20日
薬剤のチオ硫酸ナトリウムが化学療法薬のシスプラチンでがん治療を受けている子供の聴覚を保護する可能性のあることが最新の試験結果で明らかになった。 その臨床試験には、シスプラチンが標準的化学療法である非転移(局所)肝がんの子供が参
免疫療法への新しいアプローチは一部の乳がん患者に完全奏効をもたらす
2018年8月20日
米国国立がん研究所(NCI)の研究者らが開発した免疫療法の新たな方法により、他のすべての治療法が無効であった患者の乳がんで完全退縮がもたらされた。この患者は、NCIのがん研究センター(CCR)の外科部門長であるSteven A. Rosen
血管新生阻害薬
2018年7月31日
米国国立がん研究所(NCI)ファクトシート 〈目次〉 血管新生とは何ですか? なぜ血管新生はがんにとって重要なのですか? 血管新生阻害薬はどのように作用するのですか? どのような血管新生阻害薬が人のがん治療に用いられていますか? 血管新生阻
免疫チェックポイント阻害剤に対する年齢の影響
2018年7月27日
免疫チェックポイント阻害剤は、がんに対する免疫応答の制御を解除する薬剤であり、進行したメラノーマ(悪性黒色腫)の一部の患者には驚くほどよく作用するが、その他の多くの患者にはまったく作用しない。臨床医や研究者は、良好な反応を示す可能性が最も高
頻回の経過観察の検査は大腸がんサバイバーに有益か
2018年7月23日
がんの再発を調べる経過観察の検査を年に1回以上実施しても、治療を受けた大腸がんの患者に有益でない可能性があることが最近実施された2つの研究結果で明らかになった。 がん治療を受けた人への経過観察の検査すなわちサーベイランスの目標
セルメチニブが神経線維腫症1型の小児患者で効果
2018年7月22日
治験薬セルメチニブは、遺伝性症候群である神経線維腫症1型(neurofibromatosis type 1:NF1)の小児および若年成人患者の腫瘍を縮小させることができるとともに、多くのNF1患者で発生する叢状神経線維腫という腫瘍に伴う痛み
がんに関するよくある迷信と誤解
2018年7月9日
がんはどのように発生し広がっていくのかということについて、広く受け入れられている見解がいくつかあります。特にそれらが古い説に基づいている場合には、たとえ科学的に間違っていたとしても、説得力があるように思えます。しかし、がんに関する誤った理解
免疫療法が膠芽腫に奏効
2018年7月4日
本記事は2018年6月6日に更新された。 免疫系に腫瘍を攻撃させることで作用するがん治療は、次第に多くのがんに対して有効であることが証明されてきている。しかし、現時点における顕著な例外の一つは、成人で最も頻度が高い膠芽腫を含む
開発中のMetarrestinは転移腫瘍を標的とする
2018年7月4日
がんによる死亡の多くは原発腫瘍ではなく、体の他の部位に拡散、すなわち転移した腫瘍による生理的被害による。 しかし、試験薬によりこの重大な問題に対処する方法が得られる可能性のあることが、主にがんのマウスモデルで実施した新しい試験
Moxetumomab Pasudotox、有毛細胞白血病の新たな選択肢
2018年7月4日
有毛細胞白血病(HCL)はまれな白血病であるが、HCL患者に新たな治療選択肢が近日中にもたらされる可能性が、第3相国際共同臨床試験により明らかになった。本試験では、それ以前の治療後にHCLが再発/進行した患者を対象としたが、対象患者の4分の
試験参加者への遺伝子検査結果の返却に関する取り組み
2018年6月29日
遺伝子検査を含む研究の参加者は、検査結果を受け取らないのが一般的である。その理由の一つは、受け取ることによって研究参加者に潜在的利益を上回る負担が生じる可能性が懸念されるためである。 しかし今回の新たな研究では、多くの研究参加者が、結果を受