NCI(米国国立がん研究所)がん研究ブログ

レルゴリクス承認で変わる進行性前立腺がん治療の画像

レルゴリクス承認で変わる進行性前立腺がん治療

米国食品医薬品局(FDA)に承認された新薬が、早速前立腺がんの治療に変化をもたらすことになりそうだ。レルゴリクス(販売名:オルゴビクス )というこの薬剤は、大規模な臨床試験において、一般的な治療薬であるロイプロリド(リュープロレリンとも呼ば
がん骨転移治療薬ゾレドロン酸の使用で顎骨壊死の可能性の画像

がん骨転移治療薬ゾレドロン酸の使用で顎骨壊死の可能性

がんが骨に転移すると、疼痛や骨折などの問題を引き起こす可能性がある。臨床ガイドラインでは、がんが骨に転移した患者に対して、これらの合併症を管理する上で有用なゾレドロン酸(販売名:ゾメタ)などの骨修飾薬を定期的に投与することを推奨している。
アベマシクリブが早期乳がんの新たな選択肢となる可能性の画像

アベマシクリブが早期乳がんの新たな選択肢となる可能性

大規模試験の最新結果により、アベマシクリブ(販売名:ベージニオ)が、最も多い分類型の乳がん患者に対する新たな治療選択肢となることが示唆されている。 乳がんと診断される患者の約90%は早期乳がんであり、大半の場合、ホルモン受容体(HR)陽性H
アメリカがん協会(ACS)子宮頸がん検診ガイドライン最新版を解説の画像

アメリカがん協会(ACS)子宮頸がん検診ガイドライン最新版を解説

子宮頸がんと子宮頸がんによる死亡を予防するために、検診は非常に有効である。 7月30日、アメリカがん協会(ACS:American Cancer Society)は子宮頸がん検診ガイドライン最新版を公表した。同ガイドラインの推奨内容は、旧版
ストレスとがん再発の関連性の画像

ストレスとがん再発の関連性

多くのがんサバイバーが最も恐れるのは、がんの再発である。治療が成功したようであっても、何年も経ってからがんが再び増殖し始めることがある。それがどのようにして起こるのかは研究者にもわからない。 ある新しい研究から、治療後に体内に残っている休眠
ナノ粒子で訓練免疫を誘導してがんを攻撃の画像

ナノ粒子で訓練免疫を誘導してがんを攻撃

がん研究者らは、免疫療法(免疫系ががんに対抗するよう促す治療法)について、あらゆる種類の独創的で新たな方法を模索している。その最新方法の1つが、免疫細胞を訓練してがんを攻撃させるナノ粒子である。 人体で発見された物質を主成分とするナノ粒子が
妊よう性温存法は若年の乳がん患者に安全の画像

妊よう性温存法は若年の乳がん患者に安全

スウェーデンで20年以上にわたり追跡した大規模な研究によると、乳がん治療を開始する前に行う一般的な妊孕性(にんようせい)の温存法は、若い患者にとって安全であるという。 この研究の対象となった23年の間に、乳がんの治療を受ける前に胚、卵子、卵
慢性骨髄性白血病の一部患者でのTKI投与中止は安全かつQOL向上に寄与の画像

慢性骨髄性白血病の一部患者でのTKI投与中止は安全かつQOL向上に寄与

イマチニブ(販売名:グリベック)という薬剤は、かつては致死的血液腫瘍とみなされていた慢性骨髄性白血病(CML)を治療可能な疾患に変え、多くの患者はほぼ通常の寿命と等しく生きられるようになった。 CMLを治療するイマチニブとその関連薬はチロシ
新型コロナウイルスに対する抗体が再感染を防ぐ可能性の画像

新型コロナウイルスに対する抗体が再感染を防ぐ可能性

 Norman E. Sharpless医師 米国で新型コロナウイルス感染症ワクチンが届き始めると同時に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と免疫に関するNCI主導の研究から興味深いタイムリーなデータがいくつか浮上した。NCIの研究
コレステロール低下薬は免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強できるかの画像

コレステロール低下薬は免疫チェックポイント阻害薬の効果を増強できるか

免疫チェックポイント阻害薬は優れた薬であり、一部の進行がん患者において治癒をもたらすこともある。しかしながら、大多数の患者では短期間しか奏効しないか、全く奏効しない。現在研究者らは、コレステロール低下薬が免疫チェックポイント阻害薬の奏効率を
「例外的奏効症例」研究から、がん治療の手がかりとその可能性をつかむの画像

「例外的奏効症例」研究から、がん治療の手がかりとその可能性をつかむ

研究者らは、治療に例外的に奏効したがん患者を総合的に解析し、例外的奏効症例(エクセプショナル・レスポンダー)の腫瘍の分子変化を同定した。この試験結果によって示されたことは、がんゲノム解析により、予想外で長期にわたり治療の奏効をもたらす可能性
がん患者が語る診療記録(カルテ)閲覧の重要性の画像

がん患者が語る診療記録(カルテ)閲覧の重要性

がん患者は診察の内容を要約した診察記録(カルテ)を電子媒体で閲覧できることが有益であると考えていることを、研究者らが明らかにした。腫瘍医やその他の医療提供者らは、患者が診療記録を閲覧することが重要であると認めているが、彼らの見解は患者の見解
標的化した放射線照射は脊椎へのがん転移による痛みを軽減の画像

標的化した放射線照射は脊椎へのがん転移による痛みを軽減

背骨(脊椎)に転移したがんによる痛みは多くの患者にとって大きな問題である。高精度かつ高線量の放射線療法が、一部の患者において進行がんの脊椎転移による痛みを和らげる非常に効果的な方法となり得るかもしれないことが、新たな知見で示された。 この臨
放射性医薬品—放射線治療も分子時代を迎えるの画像

放射性医薬品—放射線治療も分子時代を迎える

過去20年の間、さまざまな種類のがんを治療する方法が著しく変化した。分子標的治療はがん細胞の増殖、分裂、転移を促進するがん細胞内の特定のタンパク質を遮断し、免疫療法は体の免疫系を刺激または抑制してがんとの戦いを手助けする。しかし、外科手術、
なぜ若年成人で大腸がんが急増しているのかの画像

なぜ若年成人で大腸がんが急増しているのか

Doug Dallmann氏が大便に血が混じっていることに初めて気づいたのは30代前半であった。 「しかし、たまにしか起こらなかったし、痛みもなかったのであまり気にせず、主治医には相談しませんでした」とDallmann氏は自分のアカウントで
ニボルマブが一部の進行胃がんの生存を改善の画像

ニボルマブが一部の進行胃がんの生存を改善

大規模臨床試験の結果から、進行胃がんと診断された患者の一部において、化学療法に加えて免疫療法薬ニボルマブ(販売名:オプジーボ)の投与を初回治療として行うことで、生存期間が延長する可能性があることが示された。 CheckMate 649と呼ば
オリゴメタ:治癒可能な種類の転移がんかの画像

オリゴメタ:治癒可能な種類の転移がんか

「治癒」と「転移がん」という言葉が一緒に使われることはほとんどない。それは、体内で発生した場所から他の臓器に転移したがんが、死亡のほとんどの原因となっているからである。 しかし、1995年に論争の的になった概念を2人のがん研究者が発表した。
進行食道がんの早期治療に免疫チェックポイント阻害薬が有望の画像

進行食道がんの早期治療に免疫チェックポイント阻害薬が有望

先ごろ発表された2つの大規模臨床試験の結果によると、免疫療法は一部の進行食道がん患者で早期治療の一角を担うことになるかもしれない。 両試験で、標準治療に比べて免疫チェックポイント阻害薬による治療は、進行食道がん患者が増悪することなく生存でき
パゾパニブが小児および成人の軟部肉腫に有望の画像

パゾパニブが小児および成人の軟部肉腫に有望

進行した軟部肉腫の患者の大半に行なう標準治療には、腫瘍切除手術の前に行なう放射線治療と、場合によっては化学療法がある。その目的は手術前に腫瘍を可能な限り多く死滅させることであり、これにより外科医は腫瘍の全部または大部分を安全に切除することが
がん患者は疼痛管理に必要なオピオイドを入手しているかの画像

がん患者は疼痛管理に必要なオピオイドを入手しているか

新しい研究により、米国の腫瘍内科医およびその他の医師が、高齢の患者に処方するオピオイド薬が減少してきたことが明らかになった。2013年から2017年にメディケア受給者に対するオピオイド処方率は、米国全体で、腫瘍内科医で約21%、その他の医師
多くの高齢者が不必要ながん検診を受けている【全米調査】の画像

多くの高齢者が不必要ながん検診を受けている【全米調査】

高齢者の半数以上が過去数年間に1回以上不要ながん検診を受けていたということが全米調査により判明した。 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、一般的ながんリスクの人は、大腸がん検診は75歳まで、乳がん検診は74歳まで、子宮頸がん検診は65
アスピリンの常用が高齢者のがん死亡リスクを高める可能性の画像

アスピリンの常用が高齢者のがん死亡リスクを高める可能性

数多くの研究では、低用量のアスピリンを定期的に服用している人は、がんと診断されたり、がんで死亡するリスクが低減する可能性があることが示唆されている。しかし、ASPREEという無作為化臨床試験から得られた新たな知見により、高齢者には同じことが
トラスツズマブ併用でHER2陽性子宮漿液性がんの生存期間が延長の画像

トラスツズマブ併用でHER2陽性子宮漿液性がんの生存期間が延長

悪性度の高いタイプの子宮体がん患者の一部で、通常はある種の乳がんに用いる薬剤を使用すると生存期間が延長する可能性があることが、小規模な臨床試験の最新結果から明らかになった。 臨床試験に参加したのは、子宮漿液性がん(USC)が子宮外に転移した
AYA世代のがんサバイバーの健康問題に関する研究の画像

AYA世代のがんサバイバーの健康問題に関する研究

AYA世代(思春期および若年成人)にがんと診断されたサバイバーは、がんに罹患していない同世代の人々よりも、広範囲に及ぶ慢性的な健康問題を生じる可能性が高いことが大規模の新しい研究で明らかになった。 また本研究では、特定のがん治療とAYA世代