NCI(米国国立がん研究所)がん研究ブログ

ガイドラインの多くはがん検診で見込まれる不利益に関する情報が不足の画像

ガイドラインの多くはがん検診で見込まれる不利益に関する情報が不足

33件のがん検診ガイドラインを対象としたレビューにおいて、これらのガイドラインでは、がん検診で生じる可能性のある不利益が適切に把握されていないことが明らかになった。不利益に関する情報提供は、人...
「がん代謝物」が腫瘍近傍の免疫細胞を無力化するの画像

「がん代謝物」が腫瘍近傍の免疫細胞を無力化する

特定の遺伝子に変異が生じると正常細胞ががん化し、腫瘍形成能力がさらに強化されることはよく知られている。

ハーバード大学医学大学院の研究者らによる新たな研究(以下本研究)から、IDH1遺伝子におけ...
世界中で免疫療法をより安価に受けられるようになる可能性の画像

世界中で免疫療法をより安価に受けられるようになる可能性

免疫療法薬であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)の超低用量投与が、進行頭頸部がん患者の生存期間を延長させることが、インドで行われた研究により明らかになった。また、この投与量は欧米で一般的に使用...
新型コロナウイルスワクチンは、がん免疫療法中でも安全の画像

新型コロナウイルスワクチンは、がん免疫療法中でも安全

ある種の免疫療法薬で治療を受けているがん患者は、免疫関連の副作用のリスクを増加させることなくmRNAコロナウイルスワクチンの接種を受けられることが、新たな研究から示唆された。この結果は、以前に行われた小規模な研究の結果と一致している。 今回
がん初期臨床試験に対する認識を変える―Dr. 武部直子インタビューの画像

がん初期臨床試験に対する認識を変える―Dr. 武部直子インタビュー

臨床試験とは、新しいがん治療法を、実験室での発見から日常の患者さんの治療へと移行させるために不可欠な段階である。新しいがん治療を最初にヒトで研究する試験を第1相臨床試験と言い、その主な目的は、さらに続く試験のための安全な用量を確認することで
KRAS変異標的療法は、免疫療法薬との併用で二重の効果を発揮するか?の画像

KRAS変異標的療法は、免疫療法薬との併用で二重の効果を発揮するか?

一部の致命的ながんでは、KRASと呼ばれる遺伝子に変異がある。最近、こうした変異があるがん細胞を死滅させる薬が開発され、躍進的な進歩として期待されている。しかし、ほとんどすべての患者において、腫瘍はいずれはこれらの薬剤に対して耐性を獲得し、
ケモブレインを引き起こす可能性のある生物学的変化の画像

ケモブレインを引き起こす可能性のある生物学的変化

近年、一部のがん治療の副作用である「ケモブレイン」が、研究者から注目を集めている。ケモブレインはがん治療に伴う認知機能障害と言われることが多く、重度の記憶障害、頭脳明晰さの欠如、および多くの経験者が「意識混濁」と呼ぶ状態を特徴とする。 化学
ステロイドはがん患者の呼吸困難の緩和に最適か?の画像

ステロイドはがん患者の呼吸困難の緩和に最適か?

進行がん患者には、生活の質を損なうさまざまな症状が現れる。呼吸困難といわれる呼吸の障害に対しては、症状を緩和するため副腎皮質ステロイドという薬剤がしばしば処方される。 しかし、進行がんにより引き起こされる呼吸困難を対象としたステロイドの臨床
術前ペムブロリズマブ療法が一部のメラノーマに有効の画像

術前ペムブロリズマブ療法が一部のメラノーマに有効

メラノーマ(悪性黒色腫)の治療は、おそらく他のどのがんよりも、この10年間で大きく変貌を遂げた。そして、米国国立がん研究所(NCI)が資金提供した臨床試験の初期の結果に基づき、悪性度が高いことが多い、このタイプの皮膚がんに対する新たな治療法
FDAがHER2変異肺がんへの初の標的療法としてトラスツズマブ デルクステカンを承認の画像

FDAがHER2変異肺がんへの初の標的療法としてトラスツズマブ デルクステカンを承認

肺がんの人々が、腫瘍内の特定の遺伝子変化に狙いを定めた治療(標的療法)を受けることがますます増えている。今回、非小細胞肺がん(NSCLC)患者にとって、標的療法の選択肢がもう一つ増えた。 8月11日、米国食品医薬品局(FDA)は、HER2遺
ジヌツキシマブは高リスク神経芽腫小児患者 の生存率を改善の画像

ジヌツキシマブは高リスク神経芽腫小児患者 の生存率を改善

高リスク神経芽腫小児患者約1,200人を対象とした臨床試験で、免疫療法薬ジヌツキシマブ(販売名:ユニツキシン)が小児患者の生存期間を延長させることが確認された。 ジヌツキシマブ+2種類の免疫賦活薬+イソトレチノイン併用療法を受けた小児患者の
HPVワクチンの1回接種で発がん性感染症を予防できる可能性強まるの画像

HPVワクチンの1回接種で発がん性感染症を予防できる可能性強まる

ケニアでの研究から得られた新たな結果から、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの1回接種は、発がん性HPV型による子宮頸部感染に対する若年女性での予防に極めて有効であることを示す科学的根拠がさらに追加された。 一部のHPVの型は、子宮頸
非筋層浸潤性膀胱がんにBCGの代替療法としてゲムシタビン+ドセタキセル併用が有効の画像

非筋層浸潤性膀胱がんにBCGの代替療法としてゲムシタビン+ドセタキセル併用が有効

米国国立がん研究所(NCI)がん研究ブログ 最も一般的な膀胱がんの治療に使われてきたBCGは、新型コロナウィルス感染症(COVID)の大流行が加速したサプライチェーン危機の遥か前から不足していた。BCGは長期にわたり、高リスクの非筋層浸潤性
がん治療戦略として炎症の標的化が浮上の画像

がん治療戦略として炎症の標的化が浮上

1863年、ドイツの病理学者は、がん組織内の白血球を観察した。白血球は人体の炎症反応の一部で、病原微生物などの侵入微生物に対抗し、かつ、損傷組織を治癒するために活性化される。 この観察に基づいて、病理学者Rudolf Virchow氏は、が
肝臓がん患者の肝移植に関する最新エビデンスの画像

肝臓がん患者の肝移植に関する最新エビデンス

肝臓がんの中でも最も多い肝細胞がん(HCC)の患者の一部にとって、治癒のためには肝移植が唯一の望みである。しかし、移植用の臓器が提供される機会は非常に限られている。そのため、ドナー肝臓が入手可能になった場合、医師と公衆衛生の専門家は、誰が最
ペムブロリズマブは進行トリプルネガティブ乳がんの生存を改善の画像

ペムブロリズマブは進行トリプルネガティブ乳がんの生存を改善

免疫療法薬ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の化学療法への追加によって、一部の進行トリプルネガティブ乳がん患者では化学療法単独と比べて生存期間が延長することが、臨床試験の最新結果で示された。 このKEYNOTE-355試験において、腫瘍のPD
がんを感染症に見せかけることで、免疫系の腫瘍排除を促進の画像

がんを感染症に見せかけることで、免疫系の腫瘍排除を促進

免疫系はがんに対して強力な打撃を浴びせることができるとはいえ、多くの腫瘍は免疫細胞の働きを失わせたり、妨害したりする手段を見出している。しかし、NCIの研究者らは、がんをウイルス感染症に見せかけることで、免疫細胞を優位に立たせることを可能に
免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害は微生物が原因かの画像

免疫チェックポイント阻害薬による皮膚障害は微生物が原因か

免疫チェックポイント阻害薬は免疫療法の一種で、多くのがんの治療を一変させた。しかし、多くの患者にとってこれらの薬剤は、かゆみや痛みを伴う皮膚の発疹など、さまざまな副作用を引き起こす可能性がある。時には、重度の皮膚障害により、投薬を中止するこ
トラスツズマブ デルクステカンはHER2低発現転移性乳がんの生存を改善の画像

トラスツズマブ デルクステカンはHER2低発現転移性乳がんの生存を改善

更新 2022年8月5日、米国食品医薬品局(FDA)は、外科的に切除できない、または体内の他の部位に転移しているHER2低発現乳がんの治療薬としてトラスツズマブ デルクステカン(エンハーツ)を承認した。トラスツズマブ デルクステカンの投与を
小児脳腫瘍の一部には化学療法よりもダブ+トラ標的療法が有効の画像

小児脳腫瘍の一部には化学療法よりもダブ+トラ標的療法が有効

新しい臨床試験の結果によれば、低悪性度グリオーマ(神経膠腫)と呼ばれる脳腫瘍の小児の一部には、新たな標準治療ができるかもしれない。この試験では、安全性に加え、腫瘍を縮小させて進行を抑制する効果について、ダブラフェニブ(タフィンラー)とトラメ
低リスク前立腺がんの監視療法は引き続き増加の画像

低リスク前立腺がんの監視療法は引き続き増加

10年ほど前までは、死亡に至る危険性の低い低リスク前立腺がんと診断された男性の大半が直ちに手術や放射線による治療を受けていた。どちらも低リスク前立腺がんに対する治癒的療法とみなされているが、排尿障害や勃起不全など、深刻で生涯続く副作用を伴う
がんサバイバーの心理社会的な健康ニーズへの対応の画像

がんサバイバーの心理社会的な健康ニーズへの対応

がんやがんの治療の影響は、紛れもなくストレスの多いものです。多くの人は順調に回復しますが、がんサバイバーの約25%は、不安やうつ、心理的・社会的(心理社会的)苦痛などの問題を持続的に抱えています。 このインタビューでは、UCLAジョンソン総
妊娠中のがん治療―現状と今後の画像

妊娠中のがん治療―現状と今後

2020年の秋、妊娠13週のLeticia Ramos-Mateo氏のもとに、「がんが再発した」という思わしくない知らせが届いた。 彼女は3年前、ホジキンリンパ腫の治療を受けていたが、治療が終了して以来、病気の徴候はみられなかった。しかし3
早期肺がんに術前の化学療法とニボルマブの併用が有効の画像

早期肺がんに術前の化学療法とニボルマブの併用が有効

≪研究共著兼監修者注はこちら≫   肺がんが肺の外に広がる前に発見された場合、通常、手術で腫瘍を除去する。残念ながら、がんが早期に発見され手術によって腫瘍がすべて取り除かれたとしても、がんが再発することはよくある。 今回、大規模臨