外部照射治療について知っておくべきこと[放射線療法の解説シート]

*日本語電子書籍を発行しました。こちらから。

治療について

外部照射療法とは
 癌細胞を破壊し腫瘍を縮小させるために高線量の放射線を用いる一般的な癌の治療です。
・ 大型の機器が放射線の照準を癌に定めます。機器は体に接触することなく体の周囲を回転します。
・ 体を傷つけることはありません。
・ 放射能汚染はありません。
・ 目に見えず、何も感じず、臭いもありません。

治療の効果は
・ 放射線は、低線量の場合、体の内部の写真を撮るためのX線として利用されます。癌治療では、癌細胞を破壊するため高線量の放射線が用いられます。
・ 癌細胞を破壊する放射線は近接する正常な細胞も傷つけます。そのため、副作用が生じる場合もあります。

治療期間は
・ 治療期間は癌の種類および病期によって決まります。
・ 多くの場合、治療期間は2週間から10週間です。
・ 大半の人が5日間連続で1日1回治療を受けます。通常、治療は月曜日から金曜日に行われます。治療が1日に2回行われる場合もあります。
・ 治療来院時間は、多くの場合、30分から1時間です。照射時間はわずか1分から5分ですが、治療室滞在時間は15分から30分でしょう。他の検査を受ける場合は、来院時間が長くなる場合があります。

治療を開始する前に
1回目の治療を始める前に医師または看護師と面談します。彼らは治療効果および有益性を説明します。また、予想される副作用についての説明があります。疑問があれば必ず質問をしましょう。

初診
・ 検診(診察)を受けます。患者本人と医師が健康状態や病歴を話し合います。
・ X線またはCTスキャンなどの検査が必要となる場合もあります。

治療計画
・ 放射線技師は、皮膚に小さい印(色インクの刺青または点印)を付けます。これらの印は、放射線を照射する部位を示しています。
・ この時の診察で体の型枠またはマスクを製作します。これらは治療中に体が動かないようにしてくれます。

治療中
・ 恐らく治療台で横になって行われるでしょう。
・ 放射線技師は、機器を操作するため隣の部屋にいます。放射線技師はいつでも患者の姿を見ることができ、声が聞こえ、スピーカーを介して会話が可能です。
・ 体を動かしてはいけませんが、息を止める必要はありません。
・ 自分を指している光が見えるかもしれませんが、この光は安全で、放射線技師が放射線の照準をどこに定めているかを示します。

治療に向かう際に
・ パウダー、デオドラント、バンドエイド、宝石類を治療部位付近につけないこと。
・ ゆったりした心地の良い服を着ること。

この治療による副作用については主治医または看護師に質問してください。
副作用は放射線の照射部位によって異なる場合があります。
副作用の管理方法について学ぶためのファクトシートがあります。 


放射線治療の副作用管理シリーズ

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軟便(下痢)について知っておくべきこと

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外部照射治療について知っておくべきこと

翻訳担当者 松長愛美

監修 中村光宏 (医学放射線)

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ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

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