FDA、ニボルマブを頭頸部がんに拡大承認

Approved Drugs 

米国食品医薬品局(FDA)は2016年11月10日、再発または転移性の頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)で、プラチナベース化学療法中あるいは治療後に病勢進行がみられる患者の治療に、ニボルマブ(商品名:オプジーボ、Bristol-Myers Squibb Company社)を承認した。

今回の承認は、国際多施設共同非盲検ランダム化試験CheckMate141の結果に基づいて行われた。CheckMate141試験では、プラチナベース化学療法中あるいは治療後6カ月以内に病勢進行がみられた再発または転移性の頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者を対象とし、ニボルマブと、試験担当医師が選択した(IC:investigator’s choice)化学療法(セツキシマブ、メトトレキサート、ドセタキセルからいずれかを選択)とを比較した。

本試験では361人の患者を登録し、ニボルマブ3mg/kg2週ごとに静脈内投与(IV)する群(n=240)と、セツキシマブ(400mg/m2IV投与一回、その後250mg/m2を毎週IV投与、n=15)、メトトレキサート(40mg/m2を毎週IV投与、n=52)、ドセタキセル(30mg/m2を毎週IV投与、n=54)のいずれかを投与する (n=121)とに2:1の割合で無作為に割り付け、病勢進行か、許容できない毒性の発現がみられるまで継続した。

本試験において、全生存期間(OS)は、ニボルマブ群が統計的に有意で、臨床的に意味のある改善を示した(ハザード比0.7 [95CI0.52, 0.92]; p=0.0101、層別ログランク検定)。推定全生存期間中央値はニボルマブ群で7.5カ月(95% CI=5.5, 9.1)、IC群で5.1カ月(95CI=4, 6.0)であった。

重篤な副作用は、ニボルマブ群で49%にみられた。ニボルマブ群の2%以上に発現した、よくみられた重篤な副作用は、肺炎、呼吸困難、呼吸不全、呼吸器感染症、および敗血症であった。ニボルマブ群の10%以上に発生し、IC群より高頻度で発現した副作用は、咳と呼吸困難であった。ニボルマブで治療を受けた患者の10%またはそれ以上に認められた検査所見の異常は、アルカリホスファターゼ(ALP)の上昇、アミラーゼの上昇、高カルシウム血症、高カリウム血症、 および甲状腺刺激ホルモンの上昇であった。

全処方情報は以下に記載:

http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2016/125554s022lbl.pdf

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象を認めた場合、すべてFDAMedWatch報告システムに報告しなければならない。この報告は、オンラインフォームへの入力(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、ファックス送信(1-800-FDA-0178)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームの郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。

翻訳担当者 平沢沙枝

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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