ビタミンEサプリメントは頭頸部癌患者には有害
キャンサーコンサルタンツ
2006年9月
カナダの研究者らの報告によると、1日あたり400IUのビタミンE(αトコフェロール)投与は、放射線治療をうけた頭頸部癌患者の死亡率38%増加に関与しているとのこと。この報告の詳細は International Journal of Cancer 誌の2006年11月号に掲載されている。
癌治療中に抗酸化ビタミンを摂取している患者については、以前から懸念があった。こうした懸念はβカロチンを摂取した肺癌患者の死亡率の増加で証明されていた。更に近年、ビタミンEを毎日高用量で摂取することと、慢性疾患患者の死亡リスクが高まることとの関連性を、研究者らは報告している。
最近の臨床試験では、放射線治療を受けている頭頸部癌患者540人を当初、プラセボ投与群と、αトコフェロールおよびβカロチン投与群とにランダムに割り付け、治療中および治療後3年間、投与した。βカロチンの投与は、他の研究で有害事象報告があったため、試験の途中で中止した。本試験の追跡調査の中央値は6.5年で、プラセボ対照群と比較してαトコフェロール投与群における死亡リスクは38%増加していた。
コメント:
本試験は、健康上の利益を期待して、癌治療中にビタミンEおよび他の抗酸化ビタミンを高用量で摂取しないようにと警告している。また、本試験は医薬品からではなく果物や野菜から必須ビタミンを摂取することを奨励している。
参考文献:
Bairati I, Meyer F, Jobin E, et al. Antioxidant vitamin supplementation and mortality: A randomized trial in head and neck cancer patients. International Journal of Clinical Oncology . 2006;119:2221-2224.
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翻訳担当者 有田 香名実
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