アスピリンは頭頸部癌のリスクを低下させるかもしれない

キャンサーコンサルタンツ
2006年11月

アスピリンの長期使用が頭頚部癌の発生リスクを低下させるかもしれないとRoswell Parkがんセンターの研究者が報告した。この病院を中心とする症例対照研究の詳細は2006年11月に発行のArchives of Otolaryngology誌の「頭頸部の手術」で発表された。

喫煙と飲酒は頭頸部癌と関連がある。アスピリンの常用と他の非ステロイド性抗炎症薬は複数の癌および前癌病変の減少と関連がある。しかし最近は頭頸部癌におけるアスピリンの効果の研究は実施されていない。

1982年から1998年に頭頚部癌であると診断され治療を受けていた529例のデータを評価した。これらのデータは、頭頚部癌を有していない同病院の患者のデータと比較された。

・アスピリンの使用は頭頸部癌のリスクが25%低下することと関連した。
・頻回や長期間のアスピリンの使用で頭頸部癌のリスクがさらに低下した。
・アスピリンを使用し、喫煙または飲酒に中程度摂取(曝露)している人は頭頸部癌のリスクが33%低下した。
・大量のアルコール摂取者または大量の喫煙者はアスピリン使用の恩恵が受けられない。
・女性は男性よりアスピリンの恩恵を受けやすいと思われる。

定期的なアスピリンの使用は、頭頸部癌の発生リスクを有意に低下する可能性があり、特に、大量の喫煙や飲酒をしない人では顕著であると研究者は結論付けた。さらに、アスピリンの使用期間が長くなると頭頸部癌のリスクは大きく低下する。

コメント

これは重要な情報であり、そのグループを対象に発表されたデータではないが、これまで喫煙の経験がある人々には最も重要な情報であるかもしれない。

参考資料
Reference: Jayaprakash V, Rigual N, Moysich K, et al. Chemoprevention of Head and Neck Cancer with Aspirin. Archives of Otolaryngology?Head and Neck Surgery. 2006;132:1231-1236.


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翻訳担当者 吉村 祐実

監修 瀬戸山 修(薬学)

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