FDAが進行頭頸部癌治療にアービタックスを承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2011年11月7日
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FDAが進行頭頸部癌治療にアービタックスを承認
本日、米国食品医薬品局(FDA)は進行(転移性)頭頸部癌患者を治療するため、化学療法との併用で、アービタックス(セツキシマブ)を承認した。
アービタックスは化学療法との併用により、化学療法のみを受けた患者に比べ、患者の生存期間を延長した。アービタックスはFDAにより特定の型の大腸癌に対して既に承認されており、また放射線療法との併用(一次治療)または単剤(標準治療後)で非転移性の頭頸部癌の治療に2006年以降承認されている。
米国国立癌研究所によれば、頭頸部癌は米国におけるすべての癌の3~5%を占める。通常、鼻、喉または口に発症し、男性および50歳以上に多い。
「アービタックスが頭頸部癌患者の生存期間を延長出来ることは、患者に多くの治療方法を必要とする腫瘍専門医にとって重要な手段となる」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。「手術および放射線で治療することが出来ないという頭頸部癌の侵襲性を考慮すると、患者に可能な限り多くの治療の選択肢があることは重要である」。
この適応に対するアービタックスの安全性および有効性は、米国外で実施された442人の転移または再発頭頸部癌患者での多施設共同試験の結果に基づいている。本試験には米国で承認されたセツキシマブ製剤ではなく、米国外で承認されたセツキシマブ製剤が提供された。
患者には手術不能な、または広汎に転移した癌があり、以前に化学療法を受けたことはなかった。セツキシマブと化学療法(シスプラチンまたはカルボプラチン、および5-フルオロウラシル)または化学療法のみ(シスプラチンまたはカルボプラチン、および5-フルオロウラシル)のいずれかの群に、それぞれ半数ずつ選択された。化学療法のみの群の患者の平均の生存期間が7.4カ月であったのに対し、化学療法にセツキシマブを併用投与された患者では平均の生存期間は10.1カ月であった。
セツキシマブを投与された患者で報告された頻度の高い副作用は、発疹、かゆみ(そう痒症)、爪の変性、頭痛、下痢、ならびに呼吸器、皮膚および口腔の感染症であった。また、アービタックスにより血清中電解質のマグネシウム、カリウムおよびカルシウムの低下が生じる可能性がある。アービタックスは重篤で生命にかかわる可能性のある、点滴に対する異常反応および心臓発作に関係している。アービタックス投与の患者は日光に当たることは避けるべきである。
アービタックスは、化学療法に反応しなくなった上皮成長因子受容体(EGFR)陽性の進行大腸癌治療に対して、2004年に最初にFDAにより承認された。単剤でも化学療法との併用でも治療に使用することが可能である。
アービタックスは、ニューヨーク市に拠点を置くブリストル・マイヤーズ スクイブ社およびインディアナポリスに拠点を置くイーライリリー・アンド・カンパニー社が共同販売する。
詳細については下記も参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Drug Products(血液腫瘍製品室)
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)
NCI: Head and Neck Cancer(頭頸部癌)
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木下 秀文 訳
辻村 信一 (野獣学/農学博士、メディカルライター)監修
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