HPV関連頭頸部がんに対する放射線療法の新ガイドライン

研究概要

研究タイトル

ヒトパピローマウイルス(HPV)陽性中咽頭扁平上皮がんの放射線療法:米国放射線腫瘍学会(ASTRO)臨床診療ガイドライン

掲載誌

Practical Radiation Oncology誌

ダナファーバーがん研究所の著者

Danielle Margalit医師、公衆衛生学修士

概要

米国放射線腫瘍学会が招集した学際的な特別委員会は、HPV関連中咽頭扁平上皮がん(OPSCC)に対する放射線療法の新しいガイドラインを発表した。専門家特別委員会は、嚥下など患者の生活の質(QOL)に影響を及ぼす可能性のある部位への線量を最小限に抑える最新のデータを取り入れ、放射線療法を単独または手術後に使用する場合の最適な照射法を推奨している。より進行した腫瘍や複数のリンパ節転移に対しては、シスプラチン化学療法の同時併用が推奨される。
シスプラチンが不適応の患者に対しては、共有意思決定アプローチを重視し、セツキシマブ、カルボプラチン/5-フルオロウラシル、またはタキサン系全身療法の同時併用が条件付きで推奨される。治療後の治療反応性の評価に関する推奨事項も示されている。
本ガイドラインには、さらに術後の推奨事項も含まれている。

意義

HPV関連中咽頭扁平上皮がんに対する放射線療法の最適な使用に関する新たな推奨事項は、複数の臨床試験から得られたエビデンスに基づいており、良好な転帰を維持し、急性期および晩期の障害を軽減することを目的としている。

資金提供

米国放射線腫瘍学会

  • 監訳 山崎知子(頭頸部・甲状腺・歯科/埼玉医科大学国際医療センター 頭頸部 腫瘍科)
  • 翻訳担当者 坂下美保子
  • 原文掲載日 2024/06/18

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