ブスルファンとメルファランの化学療法により小児神経芽細胞腫の生存期間が延長

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ブスルファンとメルファランを併用した高用量化学療法により、高リスク神経芽細胞腫の小児患者の生存期間が有意に改善し、癌の進行が抑制された。この結果は、2011年度米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表された。

神経芽細胞腫は、副腎、頸部、胸部または脊髄の神経組織において発現する悪性腫瘍の一種である。神経芽細胞腫は稀な癌であるが(米国における小児および青年期患者数は年間650人程度)、乳幼児では最も高頻度に診断される悪性腫瘍である。神経芽細胞腫は、患者の年齢および癌細胞の特性にもとづき、低、中および高リスクに分類される。一般に、高リスク神経芽細胞腫患者は、治療の一環として高用量化学療法を受ける。

ヨーロッパの研究者らは、高リスク神経芽細胞腫の小児患者における化学療法レジメンを直接比較するために、第3相臨床試験(HR-NBL1/SIOPEN試験)を近年実施した。本試験は約600人の小児患者を対象とし、年齢中央値は3歳であった。本試験の患者は、BUMEL(ブスルファン+メルファラン)、あるいはCEM(カルボプラチン+エトポシド+メルファラン)の高用量化学療法を受けた。

  • BUMEL群のOS(全生存率)は有意に改善した。3年間でBUMEL群のOSは60%、CEM群は48%であった。
  • イベントフリー生存率(無進行、あるいは無再発)についても改善がみられ、3年間でBUMEL群は49%、CEM群は33%であった。
  • BUMEL群の患者で重篤な副作用が発現したのは、10%未満であった。

本試験の主著者および発表者は、「高リスク神経芽細胞腫に対する現在の治療法として、ブスルファンとメルファランを選択すべきだと考えている」と述べた。

参考文献:

Ladenstein R. L., Poetschger U, Luksch R, et al. Busulphan-melphalan as myeloablative therapy (MAT) for high-risk neuroblastoma: Results from the HR-NBL1/SIOPEN trial. Paper presented at: 2011 Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology; June 3-7, 2011; Chicago, IL. Abstract 2.


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翻訳担当者 森島 由希

監修 北村 裕太(農学/医学)

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