欧州臨床腫瘍学会(ESMO)アジア会議2022ハイライト
欧州臨床腫瘍学会(ESMO)アジア大会2022が12月2日〜4日にシンガポール会場およびオンラインで開催された。
プログラムは、特にアジア太平洋地域に関連した、腫瘍学全分野における最近の科学的・臨床的進歩に関する発表および討論が中心となる。
プログラムのハイライト
▪️アジア太平洋地域で実施された新規試験の結果
・中国製免疫療法薬serplulimab[セルプリマブ]を用いた食道扁平上皮がんに対するランダム化二重盲検多施設共同第3相比較試験ASTRUM-007の有効性と安全性(抄録番号:69O)
・アジアで最も多いがん種である局所進行性上咽頭がんを対象とした多施設共同ランダム化比較試験の第3相試験の予備的結果(抄録番号:221O)
・大腸がんに対して原発巣切除前の術前化学療法を検討する学術的な取り組みである、前向きランダム化多施設共同比較試験RECUTの結果(抄録番号:43O)
▪️主要な国際共同試験のアジア人集団における結果
・非小細胞肺がんを対象としたランダム化二重盲検多国籍第3相比較試験LASER301の結果(抄録番号:LBA7)
・進行性尿路上皮がんを対象としたJAVELIN Bladder 100試験のアジアサブグループからの長期フォローアップ(抄録番号:137MO)
・非小細胞肺がんを対象とした第3相ALESIA試験の5年アップデート(抄録番号:LBA11)
▪️非喫煙者の肺がん:東アジアにおけるプロテオゲノミクス、治療の個別化における課題、検査の意義(教育セッション:「非喫煙者の肺がん」、基調講演「非喫煙者に対する肺がん検診の確立」)
▪️アジアにおける現在および今後の抗がん剤の価格と入手性(ミニオーラルセッション:乳がん悪性腫瘍)
▪️頭頸部がん患者の生存利益とQOLの向上、EUとアジアの違いに着目して(口頭発表セッション: 頭頸部がん-224O)
▪️前立腺がんにおける人種・民族の影響とゲノム特性研究時にマイノリティも対象とすることの重要性(ミニオーラルセッション:泌尿生殖器腫瘍-162MO)
▪️泌尿器がんの新規治療戦略 進行性前立腺がんにおける新規ホルモン剤の最適使用を中心に(口頭発表およびミニオラールセッション:泌尿生殖器腫瘍)
▪️アジア人の乳がんの重要課題と個別調査戦略の推奨(ミニオーラ ルセッション:乳がん)
▪️腫瘍学におけるジェンダーバランスに関するアジア諸国の視点(特別セッション:”Gender balance in oncology: Perspective from Asia – a special session with ESMO Women for Oncology“)
▪️Covid-19パンデミックに伴う社会変化後のサバイバーと患者家族のニーズの変化、およびこのような社会変化に対する緩和ケアと支持的ケアによる対応(ミニオーラルセッション:緩和ケアと支持的ケア、教育セッション:“COVID-19 lessons from experiences in supportive and palliative care”)
監訳 野長瀬祥兼(腫瘍内科/市立岸和田市民病院)
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原文掲載日 2022/11/17
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