米FDAがニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhy皮下注を承認

2024年12月27日、米国食品医薬品局(FDA)は、ニボルマブ(販売名:オプジーボ、Bristol Myers Squibb社)の承認済みの成人固形がん適応症に対して、単独療法、ニボルマブとイピリムマブ(販売名:ヤーボイ)の併用療法完了後の単独維持療法、または化学療法もしくはカボザンチニブとの併用療法として、ニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhy(販売名:Opdivo Qvantig[オプジーボ クヴァンティーク]Bristol Myers Squibb社)の皮下注射を承認した。
 
この承認には、腎細胞がん、黒色腫、非小細胞肺がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん、大腸がん、肝細胞がん、食道がん、胃がん、胃食道接合部がん、食道腺がんの適応症が含まれている。ニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhyは、イピリムマブ静脈内投与との併用は適応ではない。こちらに掲載される処方情報から、特定の適応症およびニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhyに関する詳細な情報を得られる。
 
ニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhyの皮下注射は、これまでに2回以下の全身治療レジメンを受けた進行または転移明細胞腎細胞癌患者を対象とした多施設共同ランダム化非盲検試験であるCHECKMATE-67T(NCT04810078)で評価された。合計495人の患者が、ニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhy皮下注射またはニボルマブ静脈内投与のいずれかを受けるようにランダムに割り付けられた。
 
主要目的は、ニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhyの皮下投与のニボルマブ曝露を静脈内ニボルマブと比較評価することであった。主要な副次目的は、盲検独立中央判定による奏効率(ORR)を評価することであった。試験は、28日間の血清ニボルマブCavgおよび定常状態でのCminの両方について、幾何平均比の90%信頼区間の下限が0.8以上であり、薬物動態エンドポイントについて事前に定義された許容マージンを満たした。ORRは、ニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhy皮下注射群で24%(95% CI:19、30)、ニボルマブ静脈内投与群で18%(95% CI:14、24)であった。
 
CHECKMATE-67T試験では、全般的に、ニボルマブ+ヒアルロニダーゼ-nvhy群とニボルマブ静脈内投与群との間で同様の安全性プロファイルが示された。特に多くみられた副作用(≥ 10%)は、疲労、筋骨格痛、掻痒、発疹、咳嗽であった。
 
推奨投与量は具体的な適応症によって異なり、病気の進行、許容できない毒性が認められるまで、または処方情報に示されているとおり、ニボルマブ600 mgとヒアルロニダーゼ10,000単位を2週間に1回投与、ニボルマブ900 mgとヒアルロニダーゼ15,000単位を3週間に1回投与、またはニボルマブ1,200 mgとヒアルロニダーゼ20,000単位を4週間に1回投与である。
 

  • 監修 野長瀬祥兼(腫瘍内科/市立岸和田市民病院)
  • 記事担当者 仲里芳子
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  • 原文掲載日 2024/12/27

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