米FDAが、非小細胞肺がんと膵臓腺がんにzenocutuzumab-zbcoを迅速承認
2024年12月4日、米国食品医薬品局は、以下の成人を対象にzenocutuzumab-zbco[ゼノクツズマブ-zbco](Bizengri[販売名:ビゼングリ]、Merus NV社)を迅速承認した。
- 全身(薬物)療法中または治療後に病勢進行した、ニューレグリン1( NRG1 )遺伝子融合を有する進行、切除不能または転移非小細胞肺がん(NSCLC)
または - 全身(薬物)療法中または施行後に病勢進行した NRG1遺伝子融合を有する進行、切除不能または転移膵臓腺がん
これは、NRG1遺伝子融合を有する非小細胞肺がん(NSCLC)または膵臓腺がんの患者に対する全身療法のFDA承認としては初となる。
Bizengriの完全な処方情報はDrugs@FDAに掲載。
有効性は、多施設共同、非盲検マルチコホート試験であるeNRGy研究(NCT02912949)で評価された。この試験には、進行/転移NRG1融合陽性NSCLCの成人64人と、標準治療後に病勢進行が認められた進行/転移NRG1融合陽性膵臓腺がんの成人30人が登録された。NRG1遺伝子融合の検出は、次世代シーケンシングアッセイ検査によって前向きに決定された。
主な有効性評価項目は、RECIST v1.1に従って盲検独立中央判定により決定された全奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)であった。肺がん(NSCLC)の場合、ORRは33%(95% CI:22%、46%)、DORの中央値は7.4カ月(95% CI:4.0、16.6)であった。膵臓腺がんの場合、ORRは40%(95% CI:23%、59%)、DORの範囲は3.7カ月から16.6カ月であった。
安全性に関する統合解析対象集団において、特に多くみられた副作用(≥ 10%)は、下痢、筋骨格痛、疲労、吐き気、注入関連反応、呼吸困難、発疹、便秘、嘔吐、腹痛、および浮腫であった。特に多くみられたグレード3または4の臨床検査値異常(≥ 10%)は、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ上昇、ヘモグロビン減少、ナトリウム減少、および血小板減少であった。処方情報には、胚・胎児毒性に関する枠囲み警告が含まれている。
ゼノクツズマブ-ZBCOの推奨投与量は750 mgであり、病気の進行または許容できない毒性が現れるまで、2週間に1回静脈内注入する。
優先プログラム
このレビューでは、FDAの評価を容易にするために申請者から自主的に提出されるAssessment Aidが使用された。
この申請は、優先審査、画期的医薬品指定、および希少疾病用医薬品指定を受けた。FDAの迅速化プログラムについては、業界向けガイダンス「重篤疾患のための迅速化プログラム―医薬品およびバイオ医薬品」に記載されている。
- 監修 川上 正敬(肺癌・分子生物学/東京大学医学部附属病院)
- 記事担当者 仲里芳子
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- 原文掲載日 2024/12/04
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