米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認

2024年11月20日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査でHER2陽性(IHC 3+)が検出され、治療歴のある切除不能または転移性の胆道がん(BTC)を対象に、zanidatamab[ザニダタマブ](販売名:Ziihera、Jazz Pharmaceuticals社)を迅速承認した。ザニダタマブは、二重特異性HER2指向性抗体である。

また、本日FDAはZiihera治療の対象となり得るBTC患者の同定を補助するコンパニオン診断薬として、VENTANA PATHWAY抗HER-2/neu(4B5)ウサギモノクローナル一次抗体(Ventana Medical Systems社/Roche Diagnostics社)を承認した。

有効性は、切除不能または転移性のHER2陽性(IHC3+)BTC患者62人を対象とした多施設共同非盲検単群試験であるHERIZON-BTC-01(NCT04466891)で評価された。患者は、病状が進行した状態でゲムシタビンを含むレジメンの前治療を少なくとも1回受けていることが組入れ条件であった。

有効性の主要評価項目は、RECIST v1.1に従って独立中央審査機関が決定した客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)であった。ORRは52%(95%信頼区間:39、65)、DOR中央値は14.9カ月(95%信頼区間:7.4、推定不能)であった。

処方情報には胚・胎児毒性に関する枠囲み警告が記載されている。ザニダタマブを投与された患者の20%以上で報告された副作用は、下痢、輸注反応、腹痛、疲労であった。

ザニダタマブの推奨用量は20 mg/kgで、2週間に1回、進行または許容できない毒性が認められるまで点滴静注することである。

Ziiheraの全処方情報はこちらに掲載予定である。

  • 監修 泉谷 昌志(消化器内科、がん生物学/東京大学医学部附属病院)
  • 記事担当者 後藤 若菜
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  • 原文掲載日 2024/11/20

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