ルキソリチニブは骨髄線維症患者の生存期間を延長する
キャンサーコンサルタンツ
第3相臨床試験において、中間Ⅱリスクまたは高度リスクの骨髄線維症患者にルキソリチニブ(商品名Jakafi)を投与することにより、生存期間が延長し、脾臓の大きさが縮小した。これらの結果はBlood誌に掲載された。
骨髄線維症は骨髄増殖性腫瘍として知られている血液癌の一種である。骨髄線維症では血液細胞を産生する骨髄細胞が異常増殖し機能も異常となり、骨髄の瘢痕化が促進される。このことにより、貧血、脾臓および肝臓の腫大、倦怠感ならびに他の問題が生じる。骨髄線維症の一部の患者で、病勢は急性骨髄性白血病へと進行する。
2011年に承認されたルキソリチニブは、現在、特に骨髄線維症で承認されている唯一の薬剤である。ルキソリチニブはJAK阻害剤として知られている標的治療薬である。ルキソリチニブにより、脾臓の腫大、寝汗、搔痒感、および骨痛または筋肉痛のような骨髄線維症の徴候および症状を軽減することが出来る。
最新の報告で、第3相臨床試験(COMFORT-II試験)の長期間の追跡結果が示された。試験には中間Ⅱリスクまたは高度リスクの骨髄線維症患者219人が登録された。患者はルキソリチニブの投与または最良の標準治療を受け、現在、中央値で3年間追跡されている。
・ルキソリチニブを投与された患者は、最良の標準治療を受けた患者に比べて死亡のリスクが52%低下した。3年後の推定生存率は、ルキソリチニブを投与された患者が81%および最良の標準治療を受けた患者が61%であった。
・ルキソリチニブを投与された患者の51%で、脾臓の大きさが少なくとも35%縮小した。
・ルキソリチニブ群の副作用には血球減少があったが(貧血および血小板減少症)、概ね制御可能であった。
これらの結果から、ルキソリチニブが骨髄線維症患者の転帰を改善するさらなる根拠が示されたことになる。
参考文献:
Cervantes F, Vannucchi AM, Kiladjian JJ et al. Three-year efficacy, safety, and survival findings from COMFORT-II, a phase 3 study comparing ruxolitinib with best available therapy for myelofibrosis. Blood. Early online publication October 30, 2013.
c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved. These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein. Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc. 本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。 Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。 |
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
その他の消化器がんに関連する記事
米FDAが治療歴のある切除不能/転移性HER2陽性胆道がんにザニダタマブを迅速承認
2024年12月10日
HIV感染者の肛門がん予防について初めてのガイドラインを専門委員会が発表
2024年8月25日
意図せぬ体重減少はがんの兆候か、受診すべきとの研究結果
2024年2月19日
「運動習慣の改善や食事制限...
進行性神経内分泌腫瘍に二重作用薬カボザンチニブが有効
2023年11月20日