FDAがFGFR2再構成/融合胆管がんにペミガチニブを迅速承認

2020年4月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、治療歴があり、FDA承認の検査で検出された線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)融合またはその他の再構成を有する切除不能な局所進行または転移を有する成人胆管がん患者の治療薬としてペミガチニブ(販売名:PEMAZYRE、Incyte Corporation社)を迅速承認した。

また、FDAは患者選択のためのコンパニオン診断薬としてFoundationOne CDX(Foundation Medicine, Inc.社)を承認した。

多施設共同非盲検単群試験であるFIGHT-202(NCT02924376)において、FGFR2遺伝子融合または再構成を有し(中央検査室で実施された臨床試験アッセイ)、1回以上の前治療中または前治療後に疾患進行が認められた切除不能な局所進行または転移を有する胆管がん患者107人を対象に有効性が検討された。

患者は、ペミガチニブ13.5 mgを1日1回14日間連続して経口投与され、その後7日間休薬した。

主要有効性評価項目は、RECIST 1.1を用いて独立審査委員会が判定した全奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)であった。107人中、ORRは36%(95%信頼区間[CI]:27%~45%)であり、そのうち3人が完全奏効を示した。DOR中央値は9.1カ月で、奏効した38人の患者のうち24人(63%)で6カ月以上奏効が持続し、7人(18%)で12カ月以上奏効が持続した。

ペミガチニブに最もよくみられた副作用(発生率20%以上)は、高リン血症、脱毛症、下痢、爪毒性、疲労、味覚異常、吐気、便秘、口内炎、ドライアイ、口渇、食欲減退、嘔吐、関節痛、腹痛、低リン血症、背部痛、皮膚乾燥であった。

ペミガチニブの重要なリスクとしては、眼毒性と高リン血症が挙げられる。

ペミガチニブの推奨用量は、21日を1サイクルとして1日1回13.5 mgを14日間連続して経口投与し、その後7日間休薬する。

PEMAZYREの全処方情報はこちらを参照。

本適応は、奏効率および奏効期間に基づき迅速承認された。本適応の継続的な承認には、検証的試験における臨床的有用性の検証および説明が条件となる可能性がある。

本申請は、優先審査、画期的治療薬およびオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けている。FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品およびバイオ医薬品」(Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

翻訳担当者 張 知子

監修 泉谷昌志(消化器がん、がん生物学/東京大学医学部附属病院消化器内科)

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