FDAが肝細胞がんの2次治療にニボ+イピ併用を承認
2020年3月10日、米食品医薬品局(FDA)がソラフェニブによる治療歴がある肝細胞がん(HCC)患者を対象にニボルマブとイピリムマブ(販売名:オプジーボおよびヤーボイ、Bristol-Myers Squibb社)の併用療法を迅速承認した。
本併用療法の有効性は、CheckMate-040 試験のコホート4(NCT01658878)で検討された。同試験は、ソラフェニブ投与中に進行がみられたかソラフェニブに不耐性を示したHCC患者を対象に実施された多施設、多コホート、非盲検試験である、計49人がイピリムマブ 3 mg/kgとの併用で3週間毎に4回ニボルマブ1 mg/kgを投与された後、疾患進行または忍容できない毒性が認められるまで2週間毎にニボルマブ 240 mgを単剤投与された。
主要有効性評価項目は、RECIST v1.1を用いた盲検下独立中央判定(BICR) の評価による奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)であった。ORRは33%(16人;95%信頼区間:20~48)であり、そのうち、4人が完全奏効、12 人が部分奏効を示した。DORは 4.6~30.5 カ月以上にわたり、患者の 31%で 24 カ月以上の反応持続が認められた。
ニボルマブとイピリムマブの併用療法において、最もよくみられた副作用(20%以上)は、疲労、下痢、発疹、そう痒症、悪心、筋骨格痛、発熱、咳、食欲減退、嘔吐、腹痛、呼吸困難、上気道感染、関節痛、頭痛、甲状腺機能低下、体重減少およびめまいであった。
肝細胞がんに対する推奨用量は、同一日にニボルマブ 1 mg/kg、イピリムマブ 3 mg/kgの順で3週間毎に4回投与し、その後2週間毎にニボルマブ 240 mgまたは4週間毎に480 mgを投与する。
全処方情報はこちらを参照。
本適応は、奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)に基づき、迅速承認された。本適応の承認の継続は、検証試験における臨床的有用性の検証および説明に左右される場合がある。
本審査は、申請者が自発的に行うFDA審査を円滑に進める申請方法、Assessment Aidを使用した。
FDAは、過去に本適応を画期的治療薬として指定済みであり、本申請は優先審査に指定された。FDAの迅速承認プログラムに関する記載は、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品およびバイオ医薬品」(the Guidance for Industry: Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。
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