FDAが切除不能肝細胞がんにレンバチニブを承認
2018年8月16日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能な肝細胞がん(HCC)患者の初回治療にレンバチニブカプセル(商品名:レンビマ、エーザイ社)を承認した。
本承認は、治療歴のない、遠隔転移を有するあるいは切除不能なHCC患者954人を対象とした国際多施設共同、ランダム化、非盲検、非劣性試験(REFLECT; NCT01761266)に基づくものである。患者をレンバチニブ投与群(試験開始時の体重が60kg以上の患者には12mgを1日1回、60kg未満の患者には8mgを1日1回経口投与)とソラフェニブ投与群(400mgを1日2回経口投与)に1対1の割合でランダムに割り付けた。放射線画像上で疾患進行がみられるか容認できない毒性が現れるまで治療を継続した。
REFLECT試験によって、全生存期間(OS)において、レンバチニブはソラフェニブに対して非劣性であるが、統計学的に優れているわけではないことが明らかにされた(ハザード比(HR) 0.92; 95%信頼区間(CI): 0.79~ 1.06)。OSの中央値はレンバチニブ群で13.6カ月、ソラフェニブ群で12.3カ月だった。REFLECT試験では、ソラフェニブと比較してレンバチニブが無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に改善することも示めされた。肝細胞がん用に改編した固形がん治療効果判定規準(mRECIST )によると、PFSの中央値はレンバチニブ群で7.3カ月、ソラフェニブ群で3.6カ月(HR 0.64; 95% CI: 0.55~0.75; p<0.001)であり、この所見はRECIST1.1によるものと同様であった。全奏効率はレンバチニブ群がソラフェニブ群よりも高かった(mRECISTで41%対12%、RECIST1.1で19%対7%)。
レンバチニブ治療群のHCC患者で最も多くみられた有害事象(20%以上)は、頻度の高かった順に、高血圧、疲労、下痢、食欲減退、関節痛または筋肉痛、体重減少、腹痛、手掌・足底発赤知覚不全症候群、蛋白尿、発声障害、出血、甲状腺機能低下、悪心であった。
HCC患者に対するレンバチニブの推奨用量は以下のとおりである。
・体重60kg以上の患者の場合は12mgを1日1回経口投与
・体重60kg未満の患者の場合は8mgを1日1回経口投与
レンバチニブ(商品名:レンビマ)の全処方情報はこちらを参照。
原文掲載日
【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。
肝臓がん・胆嚢がんに関連する記事
欧州臨床腫瘍学会(ESMOアジア2024)ハイライト
2024年12月20日
術前免疫療法薬により高リスク肝がんの手術適応が増え、予後改善の可能性
2024年9月17日
肝がん患者(従来の基準では手術の対象とならなかった患者など)に対し、術前に免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を投与したところ、手術を先...
ERBB2/3遺伝子異常を有する胆道がんにペルツズマブ+トラスツズマブ併用が有望
2024年5月23日
意図せぬ体重減少はがんの兆候か、受診すべきとの研究結果
2024年2月19日
「運動習慣の改善や食事制限...