米FDAが胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんにゾルベツキシマブと化学療法の併用を承認

2024年10月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査によりクローディン18.2(CLDN18.2)陽性であると判定された、切除不能または転移性のヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性、局所進行性胃または胃食道接合部(GEJ)腺がんを有する成人患者の一次治療薬として、CLDN18.2指向性細胞溶解抗体であるゾルベツキシマブ(販売名:ビロイ、Astellas Pharma US社)とフルオロピリミジンおよびプラチナ製剤を含む化学療法との併用療法を承認した。

本日、FDAはまた、ゾルベツキシマブによる治療の対象候補となる胃またはGEJ腺がん患者を同定するコンパニオン診断として、VENTANA CLDN18 (43-14A) RxDxアッセイ(Ventana Medical Systems社./Roche Diagnostics社)を承認した。

有効性はSPOTLIGHT試験(NCT03504397)およびGLOW試験(NCT03653507)で評価された。両試験は、CLDN18.2陽性の切除不能または転移性の進行性HER2陰性胃またはGEJ腺がん患者を対象とした、無作為化(1対1)二重盲検多施設試験であった。両試験における主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、独立審査委員会によりRECIST v1.1に従って評価された。全生存期間(OS)は副次有効性評価項目であった。

SPOTLIGHT試験では、565人の患者が、mFOLFOX6化学療法にゾルベツキシマブを併用する群と、mFOLFOX6化学療法にプラセボを併用する群に無作為に割り付けられた。PFS中央値は、ゾルベツキシマブ/化学療法群で10.6カ月(95%信頼区間:8.9、12.5)、プラセボ/化学療法群で8.7カ月(95%信頼区間:8.2、10.3)であった(ハザード比[HR]0.751[95%信頼区間:0.598、0.942]、片側p値 = 0.0066)。OS中央値はそれぞれ18.2カ月(95%CI:16.4、22.9)、15.5カ月(95%CI:13.5、16.5)であった(HR 0.750 [95%CI:0.601、0.936]、片側p値 = 0.0053)。

GLOW試験では、507人の患者がゾルベツキシマブとCAPOX化学療法を併用する群とプラセボとCAPOX化学療法を併用する群に無作為に割り付けられた。PFS中央値は、ゾルベツキシマブ/化学療法群で8.2カ月(95%信頼区間:7.5、8.8)、プラセボ/化学療法群で6.8カ月(95%信頼区間:6.1、8.1)であった(ハザード比[HR]0.687[95%信頼区間:0.544、0.866]、片側p値 = 0.0007)。OS中央値はそれぞれ14.4カ月(95%CI:12.3、16.5)、12.2カ月(95%CI:10.3、13.7)であった(HR 0.771 [95%CI:0.615、0.965]、片側p値 = 0.0118)。

SPOTLIGHT試験で最も多くみられた重篤な有害事象(2%以上)は、嘔吐、悪心、好中球減少症、発熱性好中球減少症、下痢、腸閉塞、発熱、肺炎、呼吸不全、肺塞栓症、食欲低下、敗血症であった。GLOW試験で最も多くみられた重篤な有害事象(2%以上)は、嘔吐、悪心、食欲減退、血小板数減少、上部消化管出血、下痢、肺炎、肺塞栓症、発熱であった。

フルオロピリミジンおよびプラチナ製剤を含む化学療法におけるゾルベツキシマブの推奨用量は以下の通りである:
初回投与量:800 mg/m2を静脈内投与、
その後の投与量:
600 mg/m2を3週間ごとに静脈内投与、または
400 mg/m2を2週間ごとに静脈内投与。

ビロイの全処方情報はこちらに掲載予定である

  • 監修 中村 能章(消化管悪性腫瘍/国立がん研究センター東病院)
  • 記事担当者 後藤 若菜
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  • 原文掲載日 2024/11/13

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