心血管疾患および大腸がんの一次予防としてのアスピリン:USPSTF推奨
米国予防医学専門委員会(USPSTF)
心血管疾患および大腸がんの一次予防としてのアスピリンの使用
予防医療 2016年4月
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【対象】10年間の心血管疾患リスクが10%以上の50~59歳の成人
【グレード(定義)】 B
【推奨事項】米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、10年間の心血管疾患リスクが10%以上、出血リスクが高くなく、10年以上平均余命があり、10年以上毎日低用量アスピリンを服用する意思がある50~59歳の成人に対し、心血管疾患および大腸がんの一次予防のための低用量アスピリンの使用開始を推奨する。
【対象】10年間の心血管疾患リスクが10%以上の60~69歳の成人
【グレード(定義)】 C
【推奨事項】10年間の心血管疾患リスクが10%以上の60~69歳の成人では、心血管疾患および大腸がんの一次予防のために低用量アスピリンの使用を開始するかどうかは、個人の判断に基づくべきである。出血リスクが高くなく、10年以上平均余命があり、10年以上毎日低用量アスピリンを服用する意思がある場合には、利益がある可能性が高い。不利益の可能性よりも利益の可能性を重視する場合は、低用量アスピリンの使用を開始してもよい。
【対象】50歳未満の成人
【グレード(定義)】 I
【推奨事項】50歳未満の成人において心血管疾患および大腸がんの一次予防に対するアスピリン使用開始の利益と不利益のバランスを評価する上で、現在のエビデンスは不十分である。
【対象】70歳以上の成人
【グレード(定義)】 I
【推奨事項】70歳以上の成人において心血管疾患および大腸がんの一次予防に対するアスピリン使用開始の利益と不利益のバランスを評価する上で、現在のエビデンスは不十分である。
アスピリンの用量に関するガイダンスについては「臨床的検討事項」の項を参照のこと。
* 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)の独立委員会で、検診や予防医療の研究レビューを行って米国政府の推奨グレードを作成します。
原文掲載日
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