パニツムマブのFDA承認

原文 2013/07/03更新

商標名:VectibixTM

・結腸直腸癌(2006/9/27)

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2006年9月27日、米国食品医薬品局はEGFRが発現し、フルオロピリミジン系薬剤やオキサリプラチン、イリノテカンを含むレジメンで化学療法施行中あるいは施行後に増悪をみた転移性結腸直腸癌に対する治療薬として、パニツムマブ(VectibixTM、製造元Amgen社)を承認しました。

転移性結腸直腸癌患者463人を登録した非盲検、ランダム化多国間共同研究1件の結果に基づいて承認されました。患者を最適な支持療法(best supportive care; BSC)のみ、あるいはBSC + パニツムマブを1週間おきに6mg/kg静脈内投与のいずれかにランダムに割付けました。フルオロピリミジン系薬剤やオキサリプラチン、イリノテカンを含むレジメンで1回以上化学療法を施行したのちに増悪したものを被験者としました。75%の患者については、割り付けられた治療を知らされていない外部委員会が患者資料を検討することにより、被験者としての適格性(適切な一連の治療を終えたあとの増悪)を確認しました。

進行ならびに奏効の評価は、前述の独立した検討委員会がレントゲン写真やその他の患者資料を審査して行いました。無増悪生存期間はパニツムマブ投与患者で平均96日、BSCのみの患者では平均60日でしたが、増悪までの期間の中央値に差はみられませんでした(約8週間)。パニツムマブに無作為に割り付けられた231人中、部分奏効は19人(8%)、奏効期間の中央値は17週でした。全生存期間は両群間で差がありませんでした。BSCのみの群の約75%が、試験担当医によって進行が確認されたのちにパニツムマブ投与に切り替えられました。被験者の腫瘍の多くは腫瘍細胞の10%以上でEGFR発現を呈しており、EGFRが発現している細胞の比率あるいは、EGFR発現の強度のいずれについても明らかな相関は示されませんでした。複数の臨床試験においてみられたパニツムマブのもっとも深刻な毒性は肺繊維症、感染による続発症や敗血症死を伴う重度の皮膚毒性、注入反応、腹痛、低マグネシウム血症、悪心、嘔吐、便秘で、もっとも頻繁にみられた有害事象は発疹、低マグネシウム血症、爪周囲炎、疲労感、腹痛、悪心、下痢でした。

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Okura 訳
平 栄(放射線腫瘍科)監修 
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

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