乳幼児期の母乳育児と成人後の大腸がんリスクとの関連

ダナファーバーがん研究所

研究概要

この関連性の根拠にある生物学的メカニズムを理解するためには、さらなる研究が必要である。

表題

乳幼児期の母乳育児と成人後の大腸がんリスクとの関連

出版物

Clinical Gastroenterology and Hepatology誌

著者

Chen Yuan 理学博士(筆頭著者)、Kimmie Ng 医師・公衆衛生学修士(統括著者):ダナファーバーがん研究所

要旨

若年発症大腸がんの発生率は1990年代初めから増加傾向にある。ダナファーバーがん研究所の研究者らが主導した本研究は、乳児期に母乳で育てられたことと、その後の人生における大腸がん罹患との潜在的な関連について調査した。研究チームは、27〜93歳の女性158,696人を対象に、看護師健康調査(Nurses' Health Study)および看護師健康調査IIで収集したデータを評価した。その結果、乳幼児期に母乳で育てられたことは、その後の人生における大腸がんのリスクを23%増加させることが判明した。1947年から1964年の間に生まれた若い女性看護師を対象とした研究「看護師健康調査II」では、母乳で育てられたことは、50歳未満で高リスクの大腸腺腫、55歳未満で大腸がんのリスクが増加することが判明した。根本的なメカニズムを理解するためにはさらなる研究が必要である。

結果

これらの知見は、母親と乳児の双方に多くの利点をもたらす母乳育児を妨げるものではない。むしろ本研究は、母乳で育てられることと大腸がんリスクとの関連性の根底にある生物学的メカニズムに関する研究の必要性を強調するものであり、これにはマイクロバイオームやその他の経路の役割、潜在的なリスク低減介入の策定なども含まれる。

資金提供

米国国立衛生研究所

  • 監訳 加藤恭郎(緩和医療、消化器外科、栄養管理、医療用手袋アレルギー/天理よろづ相談所病院 緩和ケア)
  • 翻訳担当者 青山真佐枝
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  • 原文掲載日 2023/09/06

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