FDAが進行大腸癌の治療にStivarga(レゴラフェニブ)を承認/FDAニュース
FOR IMMEDIATE RELEASE:2012年9月27日
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FDAが進行大腸癌の治療にStivarga(レゴラフェニブ)を承認
優先審査は目標日の1カ月前に完了
米国食品医薬品局(FDA)は、治療後に進行または他の器官に広がった(転移した)大腸癌の患者に対する治療薬であるStivarga(regorafenib[レゴラフェニブ])を承認した。
Stivargaは癌の成長を促進する数種の酵素をブロックするマルチキナーゼ阻害剤である。本剤は、治療に大きな進展を与える薬剤、あるいは適切な療法がない場合に治療を行う薬剤を優先して6カ月で審査を行うFDAの優先審査プログラムの下で審査された。
Stivargaは、FDAが医薬品申請の審査の完了予定日とした、製品の処方箋薬ユーザーフィー法の目標日である2012年10月27日より1カ月早く承認された。
「Stivargaは、延命効果を示す最新の大腸癌治療薬で、ここ2カ月で大腸癌患者向けに承認された2つ目の薬剤です」と語るのはFDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長のRichard Pazdur医師である。
疾病対策予防センターによると、大腸癌は米国において男女とも3番目に多く見られる癌であり、癌死亡の主原因として第3位になっている。米国立衛生研究所は、2012年には143,460人の米国人が大腸癌と診断され、死亡者は51,690人に上るだろうと推測している。
Stivargaの安全性と有効性は、すでに転移性大腸癌の治療を受けている760人の患者を対象に行われた単独の臨床試験にて評価された。患者は、Stivarga群とプラセボ群に無作為に割付けられ、両群とも副作用と癌の症状を管理する治療を含めた緩和維持療法(BSC)も行った。治療は、癌が進行するか副作用が容認できない状態になるまで継続された。
この試験の結果では、Stivarga+BSC治療群の生存期間中央値が6.4カ月だったのに対し、プラセボ+BSC治療群では5カ月であった。さらに、プラセボ+BSC治療群での腫瘍成長の遅延(無増悪生存期間)の中央値が1.7カ月だったのに対し、Stivarga+BSC治療群では2カ月であったことが示された。
Stivargaは、臨床試験中にStivargaによる投与を受けた患者において、重篤かつ致死的な肝臓毒性が生じたことについて、患者および医療専門家に注意を促す黒枠警告付きで承認された。Stivargaによる投与を受けた患者に最も頻繁にみられた副作用は、脱力感、疲労、食欲不振、手足症候群(手掌足底感覚異常症とも呼ばれる)、下痢、口のびらん(粘膜炎)、体重減少、感染症、高血圧、声質と声量の変化(発声障害)が挙げられる。
2012年8月、FDAは転移性大腸癌成人患者を対象に、ザルトラップ(アフリベルセプト)をFOLFIRI (フォリン酸、フルオロウラシル、イリノテカン)化学療法との併用にて承認した。
Stivargaは、ニュージャージー州のWayneに拠点を置くバイエル薬品が販売している。ザルトラップは、ニュージャージー州ブリッジウォーターに拠点を置くサノフィ・アベンティス社が販売している。
詳しい情報については以下を参照のこと:
FDA: Office of Hematology and Oncology Products (血液腫瘍製品室)〔原文〕
FDA: Approved Drugs: Questions and Answers (承認薬:質問と回答)〔原文〕
FDA: Drug Innovation (薬剤における革新)〔原文〕
CDC: Colorectal (Colon) Cancer (大腸[結腸]癌)〔原文〕
NIH: Colon and Rectal Cancer (結腸および直腸癌)〔原文〕
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滝川俊和 訳
畑 啓昭(消化器外科/京都医療センター)監修
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