FDAが既治療の進行大腸がんにトリフルリジン合剤(ロンサーフ)とベバシズマブの併用を承認
米国食品医薬品局(FDA)
2023年8月2日、米国食品医薬品局(FDA)は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンをベースとする化学療法、生物学的抗VEGF療法、またRASが野生型の場合には抗EGFR療法による治療歴のある切除不能な大腸がん (mCRC) に対して、トリフルリジンとチピラシルの合剤(商品名:ロンサーフ、Taiho Oncology社)をベバシズマブとの併用で承認した。FDAは2015年9月にロンサーフ単剤をこの適応で承認している。
SUNLIGHT (NCT 04737187) 試験は、2レジメン以下の化学療法歴があり、病態の進行または最終レジメンに不耐性を示したmCRC患者492人を対象に、 ロンサーフとベバシズマブの併用療法の安全性と有効性をロンサーフ単独療法と比較した、ランダム化、非盲検、多施設国際共同試験である。
有効性の主要評価項目は全生存期間 (OS) と無増悪生存期間 (PFS) であった。本試験では、ロンサーフ+ベバシズマブ群は、ロンサーフ群と比較して、統計的に有意なOSの改善が認められた(ハザード比0.61、95%信頼区間:0.49、0.77、片側 p < 0.001)。OSの中央値は、ロンサーフ+ベバシズマブ群で10.8カ月(95%信頼区間:9.4、11.8)、ロンサーフ群で7.5カ月(95%信頼区間:6.3、 8.6)であった。PFSの中央値は、ロンサーフ+ベバシズマブ群で5.6カ月(95%信頼区間:4.5、5.9)、ロンサーフ群で2.4カ月(95%信頼区間:2.1、 3.2)であった(ハザード比0.44、95%信頼区間:0.36、0.54、片側 p < 0.001)。
ロンサーフ+ベバシズマブ 群で特に多く認められた有害事象または臨床検査値異常(20%以上) は、好中球減少症、貧血、血小板減少症、疲労、悪心、AST上昇、ALT上昇、アルカリホスファターゼ上昇、ナトリウム低下、下痢、腹痛、食欲減退であった。
ロンサーフの推奨用量は35 mg/m2を1日2回、28日サイクルの1日目から5日目および8日目から12日目に食事とともに経口投与する。ベバシズマブの用量については、処方情報を参照のこと。
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- 監訳 廣田 裕(呼吸器外科、腫瘍学/とみます外科プライマリーケアクリニック)
- 翻訳担当者 三宅 久美子
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- 原文掲載日 2023/08/02
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