Oncotype DX大腸癌検査の結果は再発リスクを予測する

キャンサーコンサルタンツ

Oncotype DX大腸癌検査はステージ2大腸癌患者の再発リスクを予測し、治療決定に役立つ可能性がある。これらの結果はJournal of Clinical Oncology誌電子版2011年11月7日号で発表された。

遺伝子発現プロファイルは腫瘍細胞内で活性化している遺伝子のパターンを発見する。研究では遺伝発現は数種類の癌の予後または治療反応性についての情報を提供する可能性を示唆している。例えば、Oncotype DX乳癌検査は早期エストロゲン受容体陽性乳癌の再発リスクおよび化学療法が有益かどうかを予測することが可能であることを明らかにしてきた。その結果、この検査は早期乳癌の治療ガイドラインに加えられた。

2010年にステージ2大腸癌患者が同様な検査を利用できるようになった。ステージ2大腸癌とは癌が大腸壁の中に浸潤しているが、まだリンパ節転移や遠隔転移はしていない癌のことを指す。このステージの患者の多くは手術のみの予後が良好で、通常の補助(術後)化学療法は推奨されていない。化学療法は、ステージ2で再発リスクが高い患者には検討される。現在行われている研究はステージ2大腸癌患者1,436人を対象にしている。患者は手術のみ、または化学療法と手術の併用療法を受けている。

  • Oncotype DX検査の結果は外科手術のみの治療を受けている患者の3年後の再発リスクを予測した。低リスク群に分類されたのは12%、中間リスク群は18% 、高リスク群は22%であった。
  • その他の要素 (T分類、MMR遺伝子の状態など)もまた再発リスクに影響し、今後も治療決定の重要な役割を果たすとみられる。

これらの結果はOncotype DX 大腸癌検査 がステージ2大腸癌患者の癌再発リスクの情報を提供することを裏付けるものである。

参考文献:

Gray RG, Quirke P, Handley K et al. Validation study of a quantitative multigene reverse transcriptase-polymerase chain reaction assay for assessment of recurrence risk in patients with stage II colon cancer. Journal of Clinical Oncology. Early online publication November 7, 2011.


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翻訳担当者 芝原広子

監修 辻村 信一(獣医学/農学博士、メディカルライター)

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