FDAが褐色細胞腫および傍神経節腫の治療薬として、Azedraを画期的治療薬に指定

キャンサーコンサルタンツ

米国食品医薬品局(FDA)は薬剤Azedraについて、ヨーベングアンを取り込む性質がある転移性または再発性の褐色細胞腫および傍神経節腫に対する画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定した。Azedraは現在、特別プロトコル査定(SPA)合意のもとで実施されている重要な第2b相臨床試験で評価が行われている。さらに、AzedraはFDAからオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)および優先審査の指定を受けた。

FDAの画期的治療薬指定制度は、重篤または生命に関わる状態の治療薬の開発と承認審査の促進を目的としてつくられたもので、その薬剤が既存の治療法に対して実質的改善を示す可能性があるという予備的臨床試験結果に基づく。

治療用放射性化合物であるAzedraに関して、FDAとのSPA合意による承認申請用第2相臨床試験が進められており、承認申請を目的としたエンドポイントとして代替マーカーを用いている。 Azedraは褐色細胞腫および傍神経節腫への治療可能性に加え、神経芽腫および他の神経内分泌腫瘍への治療薬としての評価も進められている。Azedraの臨床試験は完了しておらず、Azedraへの規制当局の承認は、必要な全試験が成功裏に完了することが条件となっている。

褐色細胞腫および傍神経節腫について

褐色細胞腫および傍神経節腫は、交感神経系の細胞に発現する希少な神経内分泌腫瘍である。褐色細胞腫が副腎の外側で認められた場合、傍神経節腫と呼ばれる。これらの腫瘍に対する標準治療の選択肢は、現在のところ限られている。悪性再発性の褐色細胞腫および傍神経節腫は、切除不能である場合が多く、治療選択肢も非常に限られており、利用可能な抗腫瘍療法は今のところない。


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翻訳担当者 太田奈津美

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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