減量化学療法レジメンが神経芽細胞腫患者に対して有効である可能性が見出された

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第3相臨床試験の結果、中リスク神経芽細胞腫患者に対し減量した化学療法を短期間に投与することが有効である可能性が示された。本試験結果はNew England Journal of Medicine誌に掲載された。

神経芽細胞腫は、副腎、頸部、胸部または脊椎の神経組織において癌性細胞が形成される疾患である。神経芽細胞腫は稀な癌(米国における小児および青年期患者数は年間650人程度)であるが、乳幼児では最も頻繁に診断される悪性腫瘍である。神経芽細胞腫は、患者の年齢および癌細胞の特性にもとづき、低、中および高リスクに分類される。低リスク患者では、高リスク患者と比較し非常に良好な転帰が認められる。

中リスク神経芽細胞腫に対する強化化学療法は、一般的に著功であるとされる。しかし、減量化学療法を短期間で投与する方法で、優れた転帰が得られるかが不明である。

研究者らは、減量化学療法で治療した中リスク神経芽細胞腫患者における生存率の調査を目的として、患者479人で評価を行った。特に、減量による生存率90%達成の可能性を確認することを目的とした。

全患者における3年生存率は96%であった。生物学的特性が良好な腫瘍(良好な予後と関連のある素因)が認められる患者では、生存率が98%であるのに対し、生物学的特性が不良な腫瘍を有する患者の生存率は93%であった。

本試験の研究者たちは、「大幅に」減量した化学療法で治療した中リスク神経芽細胞腫患者は、実施済み試験での用量と比較し、生存率が高かったと結論付けた。本試験結果は、適切なリスクの神経芽細胞腫患者群では化学療法を減量することが可能であることを示している。

参考文献:
Baker DL, Schmidt ML, Cohn SL, et al. Outcome after reduced chemotherapy for intermediate-risk neuroblastoma. New England Journal of Medicine. 2010; 363:1313-1323. September 30, 2010.


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翻訳担当者 菅原宣志

監修 井上進常(首都医校教員、小児科医)

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