早期乳がんの再発予防に乳房部分照射も有効か
再発と生存期間に関する以前の結果を10年追跡データで裏付け
手術後に加速乳房部分照射(APBI)を受けた乳がん患者の10年間追跡試験の結果、APBIを受けた患者の再発率は全乳房照射(WBI)を受けた患者と同程度であったことが、12月10–14日に開催された2019年サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表された。
この試験結果から、より低侵襲な乳房部分照射が、早期乳がん患者にとって選択肢の一つとなる可能性が示された。
早期乳がんと診断された患者の多くが、腫瘍摘出術という手術に引き続いて放射線治療を受ける。「乳がんにおいては、今でも術後放射線治療が補助療法の中心に位置づけられており、部分再発の発生率を有意に低減することができるのです」と、この試験の主著者であり、イタリアにあるフィレンツェ大学のIcro Meattini医師は説明した。
近年、研究者らは加速乳房部分照射にWBIと同等の再発防止効果があるかどうかを明らかにしようとしてきた。Meattini医師が行った試験では、ランダム化第3相試験であるAPBI IMRT試験に登録された患者の10年追跡データが解析された。この試験の5年間追跡結果では、腫瘍の再発あるいは生存率に有意な差は認められなかった。
APBI IMRT試験には、40歳以上でステージ1あるいは2の乳がん患者520人が登録された。2005年から2013年の間に、患者は加速乳房部分照射(APBI)群と全乳房照射(WBI)群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。加速乳房部分照射(APBI)群の患者には、総線量30グレイ(Gy)の照射を5日間で腫瘍床に行った。一方、全乳房照射(WBI)群の患者には、総線量50Gyの照射を25分割で全乳房に行い、さらに腫瘍床に対して10Gyのブースト(追加)照射を5分割で行った。
両治療群における患者の年齢、腫瘍の大きさ、腫瘍型および補助内分泌治療は同等であり、両群とも追跡期間中央値は10年に到達している。大多数の患者がホルモン受容体陽性、HER2陰性の乳がんであり、ほとんどが50歳を超えていた。
試験の結果、10年目までに乳がんの再発を経験していた患者は、加速乳房部分照射(APBI)群で3.3%であったのに対して、全乳房照射(WBI)を受けた群では2.6%であった。これらの結果は、追跡期間5年の結果と同程度であり、その時点の再発率はAPBIを受けた群で2.4%、WBIを受けた群では1.2%であった。いずれの時点においても統計学的有意差は認められなかった。
10年目時点での全生存率も両群間で非常に類似しており、加速乳房部分照射(APBI)を受けた患者では92.7%、全乳房照射(WBI)を受けた患者では93.3%であった。
乳がん特異的生存率は、加速乳房部分照射(APBI)を受けた患者では97.6%、全乳房照射(WBI)を受けた患者では97.5%であった。
無遠隔転移生存率は、APBIを受けた患者、WBIを受けた患者いずれにおいても96.9%であった。
「これらの結果は、以前の研究で得られた初期の有望な結果を補強するものです」とMeattini医師は述べた。「加速乳房部分照射は、優れた疾患制御をもたらすことができるのです」。
乳房部分照射と全乳房照射の比較は複数の臨床試験でトピックとなってきた。2018年のSABCSで発表された試験では、僅差の結果であったが、再発率を減らすには全乳房照射(WBI)の方がやや効果的であることが示されていた。
さらに多くの研究がなされることで、臨床医が再発リスクの低い患者に対して加速乳房部分照射(APBI)の選択を推奨し、一方で再発リスクの高い患者に対しては全乳房照射(WBI)を推奨する助けになるかもしれないとMeattini医師は述べた。
「適切に選択した場合では、加速乳房部分照射(APBI)を受けた患者と全乳房照射(WBI)を受けた患者の治療効果に違いは認められません」と彼は述べた。「外部照射APBIを 1日1回のレジメンで行うことで、毒性が少なく、生活の質(QOL)が改善される可能性もあり、さらに全治療期間を短縮できる可能性も秘めています」さらに彼は、加速乳房部分照射(APBI)は整容性の変化も起こしにくく、全乳房照射(WBI)より費用が安いと付け加えました。
「乳房腫瘍学において、乳房部分照射は有効な治療の線量低減の初期例の一つなのです」とMeattini医師は述べた。「多くの患者にとって乳房部分照射は、費用対効果が高く、安全かつ効果的な最良の選択肢となる可能性があります」。
この試験の主な限界は、サンプルサイズが小さいことであるとMeattini医師は述べた。
本試験は、フィレンツェ大学病院放射線腫瘍部門の支援を受けた。Meattini医師は利益相反がないことを宣言している。
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