乳癌予後を予測する初の遺伝子テストTOP2A FISH pharmDx承認
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FOR IMMEDIATE RELEASE:2008年1月14日
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米国食品医薬品局(FDA)は、比較的ハイリスクな乳癌患者の再発リスクと長期生残率を評価する際の一助となる遺伝子検査を承認した。承認されたのはTOP2A FISH pharmDxで、癌患者のTOP2A(トポイソメラーゼ2アルファ)遺伝子を検査する初めての遺伝子検査である。
TOP2A遺伝子はDNA複製の役割を担う。TOP2A FISH pharmDx検査は、蛍光ラベルされたDNAプローブを使用して遺伝子異常や染色体異常を検出する。この技術は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法と呼ばれている。
癌の再発には、遺伝子数の増減によって働きが変化する特定の遺伝子が、部分的に関与していることがわかっている。 乳癌細胞におけるTOP2A遺伝子の増加は、腫瘍が再発する、もしくは長期生残率が低下する可能性を高めることを意味する。
FDA医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health)本部長、Daniel Schultz, M.D.氏はこう述べた。「他の臨床情報や臨床検査と一緒に使用すれば、この検査は、乳癌患者がたどりそうな臨床経過について、より良い情報を医師に与えてくれます。また、医療提供者と患者の両方に、乳癌という疾患の生態をさらに理解するための貴重な情報も与えてくれるでしょう。」
この検査は、閉経前、もしくは腫瘍サイズやリンパ節転移の有無などの腫瘍特性によって腫瘍再発や生存率低下の可能性の高い乳癌患者に適している。
FDAは、この検査が目的の用途のために適切に検証されたというエビデンスを調査した。
本検査は、乳癌腫瘍の切除後に化学療法で治療を行なったデンマーク人の患者を対象に試験が行なわれた。検査は、切除した腫瘍の小切片が用いられる。小切片はFISH法によって染色され、顕微鏡下で検出される。
開発企業は、デンマーク国内21施設のハイリスク患者767人の腫瘍サンプルと臨床データを用いた試験データを提出した。この試験によって、本検査は、乳癌治療のためのなんらかの補助化学療法を受けた女性患者において、局所または遠隔転移に至るまでの時間や生存率の評価に有効であることが確認された。
本製品は、デンマーク、グロストルップ市のDako Denmark A/S社によって製造されている。
Snowberry 訳
大藪友利子(生物工学)監修
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