FDAがリボシクリブをHR陽性HER2陰性の進行/転移性乳がんに適応拡大
2018年7月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性の進行/転移性乳がんを有する閉経前または閉経期の女性に対する初回内分泌治療としてribociclib[リボシクリブ](商品名:Kisqali、Novartis Pharmaceuticals Corporation社)をアロマターゼ阻害薬との併用で適応拡大した。
FDAはまた、HR陽性HER2陰性の進行または転移性乳がんを有する閉経後女性に対する初回内分泌治療として、または内分泌治療中の疾患進行後の治療としてリボシクリブをフルベストラントとの併用で承認した。
リボシクリブは、HR陽性HER2陰性の進行または転移性乳がんを有する閉経後女性に対する初回内分泌治療としてアロマターゼ阻害薬との併用ですでに承認されている。
閉経前または閉経期の女性を対象とした、リボシクリブとアロマターゼ阻害薬の併用療法の有効性は、ランダム化二重盲検プラセボ比較対照試験であるMONALEESA-7試験(NCT02278120)に基づいている。同試験は、閉経前または閉経期の試験参加女性を、リボシクリブ+非ステロイドアロマターゼ阻害薬(NSAI)またはタモキシフェン+ゴセレリン投与群、プラセボ+NSAIまたはタモキシフェン+ゴセレリン投与群のいずれかに無作為に割り付けた。以前に内分泌治療を受けたことがないHR陽性HER2陰性の進行乳がんを有する閉経前または閉経期の女性で、NSAI投与を事前に指定されたサブグループ495人における結果では、無増悪生存期間(PFS、RECIST 1.1)の推定中央値が、リボシクリブ群の患者では27.5カ月であったのに対し、プラセボ群では13.8カ月であった[ハザード比(HR):0.569;95%信頼区間:0.436, 0.743]。リボシクリブはタモキシフェンとの併用では適応となっていない。
リボシクリブとフルベストラントの併用療法の有効性は、MONALEESA-3試験(NCT02422615)で示された。この試験は、HR陽性HER2陰性の進行乳がんを有し、内分泌治療を受けたことがない、または1回のみ受けたことのある閉経後女性726人を対象とした、リボシクリブ+フルベストラント併用療法のランダム化二重盲検プラセボ比較対照試験である。PFSの推定中央値は、リボシクリブ群の患者で20.5カ月であったのに対し、プラセボ群の患者では12.8カ月であった(HR:0.593;95%信頼区間:0.480, 0.732;p<0.0001)。
20%以上の患者でよくみられた有害反応は、好中球減少症、悪心、感染症、疲労、下痢、白血球減少症、嘔吐、脱毛症、頭痛、便秘、発疹および咳嗽であった。
リボシクリブの推奨開始用量は、食事の有無にかかわらず1日1回600 mg(200 mg錠×3)経口投与であり、21日間の連続投与後7日間の休薬期間を設ける。
リボシクリブ(商品名:KISQALI)の全処方情報はこちらを参照のこと。
これは、申請書類提出前からFDAのレビューチームがデータ分析を始められるようにする試験プログラムであるReal Time Oncology ReviewおよびAssessment Aidを用いた初のFDA承認である。FDAは申請書類提出後1カ月弱で申請を承認することができた。
(*監訳者注: 日本では、現時点で、進行乳がんにたいするリボシクリブの開発は中止されたと製薬会社から発表されています。)
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