NCIが癌画像アーカイブを公開
NCIニュースノート
米国国立癌研究所(NCI)の癌画像診断技術プログラム(Cancer Imaging Program)が癌画像アーカイブ(TCIA)を開始した。TCIAは癌ゲノムアトラス(TCGA)の組織バンクと連携して、ウェブ上でのアクセスが可能な独特の臨床診断画像を保管している。セントルイスのワシントン大学との契約を通じて運用されている米国癌画像アーカイブ(Cancer Imaging Archive)はこちらから閲覧可能。このアーカイブには、TCGAでゲノム解析が行われた症例の初回撮影のMRI画像や手術前のMRI画像も数多く含まれている。
この画像診断アーカイブへの収集が始まった初期の画像は病期の進んだ脳腫瘍がほとんどであるが、そのうちTCGAとのプロジェクトから得られる乳癌、腎癌、結腸癌の画像も増えていくだろう。また、このアーカイブには患者画像から得られた肺病変を標準化されたやり方で特定できる肺画像データベースコンソーシアムのデータセットも含まれている。このアーカイブにより画像診断研究者がそれぞれの腫瘍特性にコンピュータを通じてアクセスできるようになるため、トランスレーショナルリサーチの進歩をもたらす機会が生まれている。その後、専門家によるコンピュータ支援診断のためのアルゴリズム開発が可能となり、遺伝子発現と画像診断結果との関連づけが可能となるだろう。この公開リソースは癌の予測や薬剤治療への奏効に関する適応型臨床試験の実施を容易にすることを目的としている。
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