FDAがシリコンジェル充填の乳房インプラントに関する最新安全性データを発表/FDAニュース
For Immediate Release: 2011年6月22日
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FDAがシリコンジェル充填の乳房インプラントに関する最新安全性データを発表
インプラントの検討にあたり女性が知っておくべき情報を取り上げる
米国食品医薬品局(FDA)は本日、シリコンジェル乳房インプラントに関して、2006年11月の認可の条件として製造業者によって実施された試験から得られた安全性データを取り入れた最新の臨床的、科学的データを発表した。
報告書では、シリコンジェル乳房インプラントは目的通りに利用される限り安全で効果的であると認めてはいるが、豊胸や乳房再建のためにシリコンジェル乳房インプラント術を検討するにあたり、女性はリスクを十分に理解しておくべきである。
報告書によれば、女性が知っておくべきことは以下のとおりである。
・乳房インプラントは生涯にわたり使用できる医療用具ではない。シリコンジェル乳房インプラントの挿入期間が長くなるほど合併症のリスクは高くなる。豊胸目的でインプラント術を受けた患者5人のうち1人は、移植から10年以内にインプラントを除去しなければならなくなる。乳房再建目的のインプラント術では、患者2人のうち1人は移植後10年で除去する必要がある。
・最も頻繁に認められる合併症や転帰は、被膜拘縮(インプラント周辺部位の硬化)、再手術(追加手術)、インプラントの除去である。その他、インプラント破裂、シワ、乳房非対称、瘢痕化、痛み、感染症などの合併症がある。
・認可当時に乳房インプラント術を受けた女性に認められた合併症は今日認められる合併症とほぼ同じである。
・シリコンジェル乳房インプラントが乳癌、生殖障害、関節リウマチのような結合組織疾患の原因となることを示す予備データはない。しかし、これらや他の稀な合併症をリスクから除外するためには、より多くの女性の試験への参加が必要となり、これまで実施された試験よりも長期にわたる調査が必要となる。
この報告書には、乳房インプラント製造企業2社(Allergan社、 Mentor社)が各々実施した承認後試験から得られた予備安全性データ、FDAが長年にわたり受けた副作用に関する報告(要約)および分析、シリコンジェル乳房インプラントの安全性と効果を検討した最近の公表科学文献の包括的な評価と分析が含まれている。FDAは2006年11月に、22歳超の女性の豊胸および全年齢の女性の乳房再建のシリコンジェル乳房インプラントを承認した。
FDAは、承認の条件としてこの2社に対し、シリコンインプラントの長期性能と安全性を明らかにするために6件の承認後試験を実施するよう求めた。
Allergan社とMentor社側から、シリコンジェル乳房インプラント術を受けた女性の追跡が困難であることがFDAに伝えられた。FDAは2社と協力して、このような問題に対処し臨床試験や追跡調査への患者参加を促進している。
「FDAはこれからも、シリコンジェル乳房インプラントの安全性や性能に関するデータを監視、収集し続けるが、乳房インプラント術を受けた女性はどんな症状でも覚えたら医療従事者に接触することが重要である。試験に登録した女性が参加し続けることによって、このインプラント用具の長期性能についてわれわれの理解が深まり、リスクが特定できるようになる」とFDA医療機器・放射線保健センター所長のJeffrey Shuren 医師は述べる。
FDAは今後数カ月以内に専門家諮問委員会を開いて、乳房インプラントの承認後試験がどうすれば効果が高められるかを話し合う予定である。
今現在、FDAが医療従事者とシリコンジェル乳房インプラントを挿入した女性に対して推奨するのは以下のことである。
・フォローアップ 女性は医療従事者と定期的な接触を継続すること。定期的にMRI検査をして無症候性の破裂を調べることも含まれる。
・リスクに対する覚悟 乳房インプラントは生涯にわたり使用できる医療用具ではない。乳房インプラント術は被膜拘縮、再手術、除去、インプラント自体の破裂等の重大な局所合併症や帰結のリスクを伴う。さらに、女性によっては乳房痛、シワ、乳房非対称、瘢痕化、感染症を発症することもある。
・異変に注意を払う 女性は何らかの異変の兆候を感じたら医療従事者に知らせること。重篤な副作用は全て乳房インプラント製造業者とFDAの安全性情報・有害事象報告プログラムであるMedwatchに報告すること。Medwatchへの連絡は、オンラインまたは電話800-332-1088で報告すること。
・連絡を絶やさない 製造業者による承認後試験に登録した女性は、試験に参加し続けなければならない。このような試験こそが合併症の長期発生率に関するデータを収集する最上の方法である。
この報告書は、シリコンジェル乳房インプラントを挿入済みあるいは検討中の女性に、あらゆる合併症や帰結のリスクを確実に提供できるようにするというFDAの取り組みの一環である。
さらにFDAは、ウェブサイトをリニューアルして、シリコンジェル充填および生理食塩水充填の乳房インプラントに関する総合的な情報も含めて提供している。
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多和 郁恵 訳
原 文堅 (乳腺科/四国がんセンター) 監修
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