OncotypeDX 非浸潤性乳管がん(DCIS)スコアの試験結果が公表される

キャンサーコンサルタンツ

ジェノミック・ヘルス社(ナスダック:GHDX)は、DCIS(非浸潤性乳管がん)として知られるステージ0乳がん患者に対するOncotypeDXの第二次大規模臨床検証試験の結果が、Breast Cancer Research and Treatment誌に掲載されたと発表した。集団ベースの本試験はオンタリオDCIS研究グループにより実施され、OncotypeDX DCIS スコアが、浸潤性乳がんまたはDCISのいずれかの局所再発を予測する強力な判断材料となることが再確認された(p < 0.001)。

「本試験では、乳房温存手術を受け、切除断端陰性(切除断端に腫瘍が認められない)の 純粋なDCIS患者集団において、DCISスコアが局所再発を予測する独立した予測因子となるのかを解析しました」と、本試験責任医師Eileen Rakovitch医師[FRCP(C)、理学修士。トロントのSunnybrook Research Instituteおよび Institute for Clinical Evaluative Sciencesに所属]は述べた。

カナダでは、DCISがすべての乳がんのうち25%を占めると推定されている。オンタリオ州で1994~2003年に採取された828人分のDCIS腫瘍検体による集団ベースのコホートに基づき、一次解析では、乳房温存手術のみを受け、切除断端陰性の患者571人に焦点を当てた。新たに発表された本試験の結果では、試験対象のDCIS患者の大半(62%)において、OncotypeDX DCISスコアで腫瘍生物学的リスクが低度と判定された。残りの患者は中等度または高度リスクを示すスコアであり、実際に局所再発の割合が高かった。

「私たちはOncotypeDXのようなゲノム検査を個別化医療および健康管理のカスタマイズ化における素晴らしい進歩だと考えます。これは、私たちの慈善活動の対象であるDCISと診断された若い女性たち、つまり妊よう性に影響を及ぼす可能性や長期的な副作用の可能性がある治療への決断を迫られる女性にとって、特に重要です」と、Rethink Breast Cancer(注:若い女性を対象とした、乳がんの啓蒙活動をしている慈善団体)の理事であるMJ DeCoteau氏は述べた。「DCISの大半は生命を脅かすものではありませんが、自分の腫瘍についての正確な生物学的情報を入手するために、科学的に妥当性が認められたツールに頼ることは、患者が自信をもって治療方法を選択するためには重要です」。

情報源:ジェノミック・ヘルス社


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 太田奈津美

監修 原野謙一(乳腺・婦人科がん・腫瘍内科/MDアンダーソンがんセンター)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

転移トリネガ乳がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果予測ツールを開発の画像

転移トリネガ乳がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の効果予測ツールを開発

ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターおよびジョンズホプキンス大学医学部の研究者らは、転移を有するトリプルネガティブ乳がんにおいて、免疫療法薬の効果が期待できる患者をコンピュータツ...
FDAが高リスク早期乳がんに対し、Kisqaliとアロマターゼ阻害剤併用およびKisqali Femara Co-Packを承認の画像

FDAが高リスク早期乳がんに対し、Kisqaliとアロマターゼ阻害剤併用およびKisqali Femara Co-Packを承認

米国食品医薬品局(FDA)2024年9月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、ホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の再発リスクの高いステージIIおよびI...
乳がん後の母乳育児が安全であることを証明する初めての研究結果の画像

乳がん後の母乳育児が安全であることを証明する初めての研究結果

● 欧州臨床腫瘍学会(ESMO)2024で発表された2つの国際的な研究により、乳がん治療後に母乳育児をした女性において、再発や新たな乳がんの増加はないことが示された。
● この結果は、乳...
HER2陽性乳がんの脳転移にトラスツズマブ デルクステカン(抗体薬物複合体)が有効の画像

HER2陽性乳がんの脳転移にトラスツズマブ デルクステカン(抗体薬物複合体)が有効

• 大規模な国際共同臨床試験において、トラスツズマブ デルクステカンは、HER2陽性乳がん患者の脳転移に対して優れた抗がん作用を示した。
• 今回の結果は、今まで行われてきた複数の小規模...