米FDAが切除不能/転移ホルモン陽性HER2陰性乳がんにダトポタマブ デルクステカンを承認

2025年1月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性疾患に対するホルモン療法および化学療法を受けたことのある切除不能または転移、ホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性(IHC 0、IHC1+またはIHC2+/ISH-)乳がんの成人患者に対して、Trop-2を標的とした抗体およびトポイソメラーゼ阻害剤複合体であるダトポタマブ デルクステカン(販売名:ダトロウェイ、第一三共社)を承認した。
 
有効性は、多施設共同、非盲検ランダム化試験であるTROPION-Breast01(NCT05104866)で評価された。患者は、病気の進行がみられ、さらなるホルモン療法に適さないと判断され、切除不能または転移性疾患に対する1または2種類の化学療法を受けていることが条件であった。ステロイドを必要とするILD/肺炎の病歴、進行中のILD/肺炎、臨床的に活動性の脳転移、または臨床的に重大な角膜疾患のある患者は除外された。また、ECOGパフォーマンスステータスが1を超える患者も除外された。
 
ランダム化は、以前の化学療法、以前のCDK4/6阻害薬治療、および地理的地域によって層別化された。合計732人の患者が、ダトポタマブ デルクステカン(n=365)または研究者の選択による化学療法(n=367)(エリブリン[60%]、カペシタビン[21%]、ビノレルビン[10%]、またはゲムシタビン[9%])にランダム化(1:1)された。
 
主な有効性評価項目は、RECIST v1.1に基づき盲検独立中央判定(BICR)によって評価された無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)であった。追加の有効性評価項目には、BICRによって確認された客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)が含まれた。PFSの中央値は、ダトポタマブ デルクステカン群で6.9カ月(95% CI:5.7、7.4)、化学療法群で4.9カ月(95% CI:4.2、5.5)であった(ハザード比0.63 [95% CI: 0.52、0.76]、 両側p値<0.0001)。OS中央値は、ダトポタマブ デルクステカン群で18.6カ月(95% CI:17.3、20.1)、化学療法群で18.3カ月(95% CI:17.3、20.5)であった(ハザード比1.01 [95% CI:0.83、1.22]、両側p値は統計的に有意ではなかった)。確認されたORRはダトポタマブ デルクステカン群と化学療法群でそれぞれ36%(95% CI:31、42)と23%(95% CI:19、28)、DOR中央値はそれぞれ6.7カ月(95% CI:5.6、9.8)と5.7カ月(95% CI:4.9、6.8)であった。
 
臨床検査値の異常を含む特に多くみられた副作用(20%以上)は、口内炎、吐き気、疲労、白血球減少、カルシウム減少、脱毛症、リンパ球減少、ヘモグロビン減少、便秘、好中球減少、ドライアイ、嘔吐、ALT増加、角膜炎、AST増加、およびアルカリホスファターゼ増加であった。
 
ダトポタマブ デルクステカンの推奨用量は6 mg/kg(体重90 kg以上の患者では最大540 mg)であり、疾患の進行または許容できない毒性が認められるまで、3週間に1回(21日サイクル)静脈内注入で投与される。
 
Datrowayの全処方情報はこちらに掲載予定である。

  • 監修 下村昭彦(腫瘍内科/国立国際医療研究センター病院乳腺・腫瘍内科)
  • 記事担当者 仲里芳子
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  • 原文掲載日 2025/01/17

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