外科的乳房生検の濫用

キャンサーコンサルタンツ

フロリダで実施された研究により、低侵襲である針生検の代わりに外科的乳房切開生検を受けた女性があまりにも多いことが示唆された。これらの結果は、American Journal of Surgery誌で発表された。

乳房画像検査で乳房腫瘤や乳房内に異常な箇所が見られた場合、さらに評価するために乳房組織検体が摘出されることがあり、これを乳房生検と呼ぶ。組織は針や、外科的切開生検と呼ばれる、もう少し侵襲的な手技で摘出される。針生検はより侵襲性の低い手技であり、多くの女性にとって好ましい方法である。

針生検および外科的乳房生検の頻度を調査するために、研究者らは2003年から2008年にフロリダで行われた生検に関する情報を収集した。

・ 針生検の実施が本研究の期間を通して増加したにもかかわらず、外科的乳房切開生検の全体率は高いままだった。乳房生検の約30%は外科的乳房生検で行われていた。
・ 研究者らは外科的乳房生検がすべての乳房生検の10%だけに(合理的な目標値)実施されれば、金銭が節約され、多くの女性が不要な外科手術を回避することができるであろうと指摘する。乳房生検を受ける大多数の女性は乳癌を有していない。

外科的乳房切開生検の率が高い理由は不確かであるが、外科医の報奨が関係しているのかもしれない。

乳房生検を必要とする女性は行われる生検の種類について自分の主治医と話し合わなければならない。外科的生検は一部の女性には必要であるが、多くの女性はより低侵襲である針生検が適応となるであろう。

参考文献:

Gutwein LG, Ang DN, Liu H et al. Utilization of minimally invasive breast biopsy for the evaluation of suspicious breast lesions. American Journal of Surgery. Early online publication February 8, 2011.


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翻訳担当者 有田 香名美

監修 原 文堅(化学療法科/四国がんセンター)

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