癌研究の大きな進歩が明らかに(第50回ASCO年次総会の報道陣向けプログラム)
米国臨床腫瘍学会(ASCO)は本日、2014年ASCO年次総会の報道陣向けプログラムにて取り上げられる試験を発表した。報道陣向けプログラムでは、免疫療法や患者のケア、QOL、標的治療などの複数の癌研究領域での重要かつ新たな進歩が紹介される。
ASCO年次総会は5月30日(金)から6月3日(火)にシカゴにて開催され、世界中から25,000人以上の癌の専門家が参加する予定である。 ASCOの50周年記念を祝して、2014年次総会にて、過去50年間における癌治療の発展を取り上げる一方で、今後の課題や進展を確認する。
年次総会の5,000以上にのぼる演題の抄録の大部分は5月14日(水)、東部標準時間(EDT)のPM5:00にabstracts.asco.orgにて公開される。制限付きのメディア向け報道会見が同日の正午12:00(EDT)に開かれ、5つの重要な抄録が発表される。全体抄録を含む最新の抄録(LBAs)は年次総会現地で発表される予定である。
制限付き報道会見:5月14日(水)、正午12:00(EDT)
本報道会見ではASCOの年次総会で発表されるすべての研究を代表する試験に焦点を当てる。このような試験は新規標的治療や癌予防、患者のケアにおいて有望な方向性を指し示す。報道陣向けに発表される試験に対する制限は5月14日(水)の午後 5:00(EDT)に解除される。
- 米国予防医学専門委員会(U.S. Preventive Services Task Force)提案の、低線量コンピューター断層撮影(CT)を用いた毎年の肺癌検診を実施した場合の費用と臨床的影響の予測解析(抄録番号6501)
- エストロゲン受容体陽性の閉経前乳癌患者における、肥満が死亡率に与える影響を評価した試験(抄録番号503)
- 標準的なEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に反応しなくなった非小細胞肺癌患者において、第3世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるAZD9291を評価した第1相臨床試験(抄録番号8009)
- まれな消耗性関節疾患である色素性絨毛結節性滑膜炎を引き起こす重要な遺伝子転座を標的にした新しい薬剤の初期臨床結果(抄録番号10503)
- PSA値の上昇がみられる進行性前立腺癌患者において、アンドロゲン除去療法の開始を遅くした場合の影響を調査した解析(抄録番号5003)
年次総会現地で発表予定の研究
ASCOは毎日記者会見を行い、以下の研究領域での重要な進歩に焦点を当てる。
患者のケアとQOLの改善に関する抄録:5月30日(金)、午後1:00-2:00(中部夏時間(CTD))
このプレス概要で発表される試験に対する制限は午後1:00(CDT)に解除される。
- 早期のホルモン受容体陰性乳癌の若い女性患者において、生殖能を維持するためのLHRHアナログを評価した第3相臨床試験結果(抄録番号LBA505)
- 臨床転帰と長期における副作用の両者に焦点を当てた、HPV陽性の口腔咽頭癌患者対象の低線量強度変調放射線治療(IMRT)を評価した第2相試験(抄録番号LBA6006)
- 乳癌で骨転移がみられる女性患者において、ゾレドロン酸の使用の頻度を減らすことで骨折リスクや副作用リスクに与える影響を評価した大規模ランダム化第3相試験(抄録番号LBA9500^)
- 進行性癌患者への早期の緩和ケアが家族の介護者に対して与える効果を調査したENABLE第3相試験(抄録番号LBA9513)
- 末期癌やその他の病気の患者において、スタチンの投与中止がQOLや他の転帰にどのように影響を及ぼすかを評価したランダム化試験(抄録番号LBA9514)
標的治療に関する最近の進歩の概要、5月31日(土)、午前8:00-9:00 (CDT)
このプレス概要で発表される試験に対する制限は午前6:30(CDT)に解除される。
- PARP阻害剤であるolaparib(オラパリブ)単独、あるいはcediranib(セジラニブ)との併用治療を受けた再発性卵巣癌患者におけるランダム化第2相試験(抄録番号LBA5500)
- 進行性非小細胞肺癌の2次治療として、ドセタキセルに抗VEGFモノクローナル抗体であるramucirumab(ラムシルマブ)を併用した大規模ランダム化第3相REVEL試験の知見(抄録番号LBA8006^)
- 再発性または難治性の慢性リンパ性白血病高齢患者において、2つの新規標的薬剤であるibrutinib(イブルチニブ)とオファツムマブを比較した第3相試験の中間結果(抄録番号LBA7008)
- 放射性ヨウ素抵抗性の分化甲状腺癌患者において、チロシンキナーゼ阻害剤であるlenvatinib(レンバチニブ)を評価した第3相SELECT試験の結果(抄録番号LBA6008)
全体プレス概要、6月1日(日)、午前8:00-9:00(CDT)
この記者会見におけるすべての試験はASCOの本会議として選ばれ、癌研究やケアに対して最高の科学的利点と最大の影響をもつと考えられる抄録に焦点が当てられる。このプレス概要で発表される試験に対する制限は午前6:30(CDT)に解除される。
- ホルモン受容体陽性の閉経前早期乳癌患者において、アロマターゼ阻害薬のエキセメスタンをタモキシフェンと比較した、第3相のTEXT試験およびSOFT試験の共同解析(抄録番号LBA1)
- 転移性前立腺癌患者において、初期ホルモン療法に化学療法を追加することによる延命効果を評価したランダム化第3相試験の中間結果(抄録番号LBA2)
- KRAS変異がみられない転移性大腸癌の1次治療において、広く使用されている標的治療薬のベバシズマブまたはセツキシマブのどちらかを化学療法に追加した際の効果を比較した第3相試験の知見(抄録番号LBA3)
- トラスツズマブとラパチニブおよび化学療法の併用によるHER2陽性の早期乳癌患者の再発予防が目的の術後補助療法戦略を研究した、これまでで最大規模のランダム化第3相ALTTO試験の最初の結果(抄録番号LBA4)
免疫療法の進歩に関する概要、6月2日(月)、午前8:00-9:00(CDT)
このプレス概要で発表される試験に対する制限は午前6:30(CDT)に解除される。
- 再発の危険性が高いステージ3のメラノーマ患者におけるipilimumab(イピリムマブ)による補助療法のランダム化第3相試験に関する最初の結果(抄録番号LBA9008)
- 進行性メラノーマを対象として、ipilimumab(イピリムマブ)と抗PD-1抗体であるnivolumab(ニボルマブ)からなる2つの免疫療法薬併用を評価した前期臨床試験からの最初の長期生存データ(抄録番号LBA9003^)
- 進行性メラノーマ患者において抗PD-1抗体であるMK-3475 (lambrolizumab)の使用と、事前のipilimumab治療の影響を研究した解析(抄録番号LBA9000^)
- 転移性子宮頸癌患者における、HPVを標的とした新規T細胞移入療法を評価した前期臨床試験からの知見(抄録番号LBA3008)
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